病院のベッドに横になりながら私は窓を見ていた。
ふともうここに来てどれぐらい経つのだろうと。
なんだかもう、永遠の淵に立たされたような。
窓の外には大量のビル群が永久に続いてる。
私が若い頃の街の面影は既に消えている。
夜中になり窓の外には暗闇が続いてる。
あの世はいつ私を迎えに来てくれる?
死なんてこの年に成ればもういい。
急に喉の奥が苦しくなってきた。
咳が止まらない。気持ち悪い。
耳で鳴り響くナースコール。
吐きそう。もう死ぬんだ。
ふと私は窓の外を見る。
そこに写るのは夜景。
あともう一つ写る。
ずっと見てない。
涙をこぼした。
死んだ方が。
きらいな。
自分だ。
死ね。
あ。
赤い糸
まじうざいんだけど。
ずっと小指に付いてるこれなんなん?
邪魔臭いし。
たまにめっちゃ引っ張られて痛いんだけど。
血ぃ止まるって。
解けないし、切れないし。
もうほんっとにうざい!
ある日、わたしと繋がっている人が現れた。
相手は言う。
「君だったんだ。」
……………
てめぇか!この野郎!
わたしはそいつを赤い糸で縛った。
入道雲から漏れる光
ただ一人、大きく佇む。
青を流れる。
そこに潜む悪魔は、私達の方へ向う。
激しく降り注ぐ雨粒。
躰を、濡らす。濡らす。
綺麗な悪魔
夏
耳に鳴り響く蝉の声。
全開にした窓から、青に映える入道雲が見える。
扇風機をつけながら、アイスキャンディーを食らう
街の喧騒。
ニュースの声。
眩い太陽。
今日は35度らしい。
これは、青春じゃない。
独りの成人の。
夏の記録。
現実に疲れた。
考えながら、ビルの窓に映る自分を見る。
ここではないどこか。
窓に触れた瞬間、
吸い込まれていった。
ココデハナイドコカをさまよい続ける。
限りない海と夜空に飛び散る星と硝子。
海は規則的に皺を刻む。
永遠に続きそうで、気持ち良くて、怖くて。
もう戻れない。
○
。 ○ 。○
。◦
ただ海に沈む。