あの日、俺は彼女と喧嘩をしてしまった。今思えば、何故あんなことを言ってしまったんだろう…彼女を傷つけてしまったという罪悪感が芽生えてしまった。
彼女は、あの後家を出て行ってしまい、何時間も見当たらなかった。流石に心配になり、俺は家を飛び出して行った。
彼女がいつも出勤するときに通る道___二人でよく通っている道など、探したが全く見つかる気配が無い。
「どこに行ったんだよ…!」
そう言いながら、繁華街や路地を走る。すると、目の前に人が倒れているのが見えた。よく見ると女性のようだ。何故か心臓の鼓動が速くなる。俺は恐る恐る倒れている女性に近づいた。
「………!!!」
そこに倒れていたのは、俺の彼女だった。背中や腹部、首などに複数箇所にナイフで刺されたような傷があり、その箇所から大量出血を起こしてした。
「オイ!しっかりしろ…!起きてくれ…!!」
そう叫ぶも、彼女はピクリとも体を動かさなかった。
その後、救急車を呼んだか、病院につく頃にはもう、彼女は亡くなっていた。
俺と彼女は、突然の別れを告げることになってしまったのだ。
「✕✕さんの容体が急変した。すぐに病院に来てください」
そんな電話がかかってきたのは、深夜2時。去年妻が難病にかかり、病院で入院していたのだが、容体が急変したのだ。
俺はすぐに病院へ向かった。ナースステーションにいた看護師に事情を説明した俺は、エレベーターに乗り、妻のいる病室へ向かった。
病室に入ると、そこには妻と医師がいた。妻は荒い息を何度も繰り返していた。
「あらゆる手を尽くしましたが、もう………」
医師から告げられた言葉に、全身の力が抜ける。
「先生……私と彼と……二人きりにさせてもらえますか……?」
妻が今にも消え掛かりそうな声で言った。先生は頷くと、俺達に一礼して病室を出ていった。
「✕✕!大丈夫?!」
俺は妻に駆け寄り、そう声をかけた。
「大丈夫だって………心配しないで……………何で◯◯君が泣いてるの……泣かないでよ………」
「だって………もう…もう、会えないんだよ……?!悲しくて堪らないよッ!!」
「そう……だね……私も……寂しいよ…………」
だんだんと声が薄れていく妻の声。
「ねぇ……◯◯君………最後に一つだけ……言っていい……?」
「何……?✕✕」
「いつまでもずっと………愛してるよ…………」
「俺も……誰よりもずっと……✕✕のこと、愛してる」
「◯◯君と………会え……て………良かっ……た…………………………」
これからも、ずっと絵を描いていきたいな