空が泣く
何でいないん? ここに
皆で集まる時は あんた いつも
一緒にいたやないの
七年前のあの日 あんたは何の前ぶれも無く 一人で逝ってしまった
最後の一言さえ 残してもらえなかった私は あんたの姉として これ以上の後悔はないくらい 悔いて悔いて
どうしようも無く この運命を呪った
あれから7年 七回忌が済み やはり もう二度と帰って来んのやね とわかった この先 どれだけ待っても
夜 いつものように バルコニーに出て空を見上げる
ひときわ輝く星を見つける
あの星に あんたは行ったんやね
そこにいて 今は幸せだよねと 切に願いながら 手を合わせる
私の時は きっと迎えに来てよ
と祈る
星が泣く 空が泣いている
私も泣く あんたと一緒に泣いている
母さんの臨終の時 横にいて 一緒に泣いてくれた時のように
今 空いっぱいになって
あんたと一緒に泣いている
私だけ
私だけ 一心に 勉強に取り組んでいるうち 皆が私のそばから遠退いていく
私だけ 夢中で 一つのゲ−ムにハマっているうち 人は違うゲ−ムを始めている
私だけ 全力集中 仕事に打ち込んでいるうち 家族はあちらの世界へ 一足先に旅だってしまったのか
私だけ 執拗に 難問に取り組んで 時間を忘れているうち 皆はとうに
次の段階へと 登り始めている
いつも私だけ 取り残されているのか
人は さっさと 側を通り過ぎて行く
そんなに急いで 皆はどこへ行くのだろう
そんなに生き急いで 先には 何が待っているのだろう
愛と平和
愛があってこそ 平和が保たれるもの
愛のない平和は 心が満たされない
形だけの平和なんて 愛がこもっていない平和なんて 平和じゃない
愛を感じると 心が満たされ
幸せな気持ちが 体中に広がる
心が軽くなり 体が軽くなり
中に浮きそうになる
人に対して 自分に対して 優しくなれる
許してあげる気持ちが 高まる
許されている気持ちが 芽生える
自分の事を 愛する事ができる
人の事を考えて 愛する事ができる
そんな愛あってこそ 人の世に 平和が宿る
強くあれ! そんな愛ある平和を保つため
耐えよ! 世の理不尽さに
そして 本物の愛のある平和を手にするまで 待つ事のできる人であれ!
持続 努力可能な人になれ!
みんな 待っててね
私の 大切な家族
先に逝ってしまった家族
母さんに 弟 それに 父さん
みんな 私を置いていってしまった
母さんは 認知症になり 何も言えなくなって 病院に入った
私が ひたすら 話しかけるのみ
何か 一つでも 思い出してくれないかと 必死で呼びかける
でも 最後に 目をハッと見開いて
深い息をしてから 逝ってしまった
弟は あっと思う間に 私の知らない世界へ 旅だってしまった
何の言葉も 残してくれぬまま 私が駆けつけた時には もう冷たくなっていて 私は 泣き崩れることしか できなかった
そして 父が 帰らぬ人となった時には 私は 大切な家族を みんな失った 深い悲しみに 普通じゃない自分を知った 夜 ひたすらジャズを聞いた
自分を取り戻そうとするかのように
そんな 悲しみ 喪失感を 体にヒリヒリと感じながら 何年か過ぎた
私も 身体が 少しずつ 不自由になって行く もう少ししたら 誰かのお世話になる人生が 始まるのか
その後 いよいよ 私の番がやって来るのだろう
私自身が 家族を 私が看取ってあげたように 誰か 私を看取ってくれる人は いるのか
分からない事ばかり
だから もう 自分に問うのは止そう
それより 父さん 母さん 弟に
私も何れ 会いに行くから 待っててね
それまで 何処かへ行ってしまわず
必ず 私を待っててね と言おう
必ず 待っててね
もしもタイムマシンがあったなら
もしも タイムマシンがあっなら まず 何処へ行きたいかな
過去は 過ぎ去った時間 もし もう一度 過去を見てみたいと思い 戻れたとしても 過去に起きた事実を 変えるわけには行かない
失敗の事実を変えるわけにはいかない
その時は それで 最良の選択をしたのだ
たくさんの失敗を 繰り返し 経験を重ねて 今がある
だから タイムマシンで 過去に戻ったとしても 失敗の経験は 消したくない もし 消してしまえば 今の自分は ないのだから
では未来を旅するのはどうか
未来は こうなりたいという夢がある
未来の可能性を夢見て 今を生きられる
夢は ステキで 美しく 豊かであって欲しい
もし 未来を見に行く事ができて 自分の将来の現実を 目の辺りにすれば
それが 素晴らしいものなら
今を生きる価値を高める事ができるかな
もしそうでないものを見てしまったら 今を生きる元気を 出し続ける事ができるだろうか
もしも タイムマシンで いつの時代の自分にでも 会いに行くことができたとして
過ぎ去った自分や まだ見ぬ自分に会うことができたとして 私は これからも 今の自分自身であり続けることが できるだろうか
過去を振り返る事で 未来を想像することで 今を生きる 知恵と勇気を見出すことができる
とすれば やはり 今が 一番大切
何でも生み出せるのは 今