ソラノ

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みんな 待っててね

私の 大切な家族
先に逝ってしまった家族
母さんに 弟 それに 父さん
みんな 私を置いていってしまった

母さんは 認知症になり 何も言えなくなって 病院に入った
私が ひたすら 話しかけるのみ
何か 一つでも 思い出してくれないかと 必死で呼びかける
でも 最後に 目をハッと見開いて
深い息をしてから 逝ってしまった

弟は あっと思う間に 私の知らない世界へ 旅だってしまった
何の言葉も 残してくれぬまま 私が駆けつけた時には もう冷たくなっていて 私は 泣き崩れることしか できなかった

そして 父が 帰らぬ人となった時には 私は 大切な家族を みんな失った 深い悲しみに 普通じゃない自分を知った 夜 ひたすらジャズを聞いた
自分を取り戻そうとするかのように

そんな 悲しみ 喪失感を 体にヒリヒリと感じながら 何年か過ぎた

私も 身体が 少しずつ 不自由になって行く もう少ししたら 誰かのお世話になる人生が 始まるのか
その後 いよいよ 私の番がやって来るのだろう

私自身が 家族を 私が看取ってあげたように 誰か 私を看取ってくれる人は いるのか

分からない事ばかり
だから もう 自分に問うのは止そう

それより 父さん 母さん 弟に
私も何れ 会いに行くから 待っててね
それまで 何処かへ行ってしまわず
必ず 私を待っててね と言おう

必ず 待っててね

2/13/2024, 9:40:11 PM