“奇跡をもう一度”
私が生徒で貴方が教師な、素敵な巡り合わせ、
こんな“奇跡をもう一度”来世で。
私が浴衣を着て、貴方が「似合っていますね」と
褒めてくださる愛しさの“奇跡をもう一度”この世で。
14歳も上の彼に
恋心を抱いてしまう“奇跡をもう一度”この人生で。
14歳も下の私に
恋心を抱くような“奇跡を一度”でも、この人生で。
“秋🍁”
去年の秋は君とずーっと居た。朝は私の机のそばに座ってお話をして、お昼も隣で食べて、放課後は部活を一緒にしてそのまま2人で帰る。去年の秋の部活中の、「2人だけの鏡越しの写真」を見ていたらなんだか、目から雫が垂れていた。もしも去年出会っていなければ、もしも出会っていたのが今年だったら、こんなにも距離は近づいていないだろうと痛感したからだ。
「2人だけの鏡越しの写真」は文化祭の朝に撮ったものだった。明日はなんと、文化祭1日目だ。君に勇気を出して、「ここで写真を撮ろう」と言ってみせるのだ。そしてまた明日、ここでその報告をしよう。
君、ちゃんと私のことを見ていてね。一年経ってもまだ君に飽きちゃいないよ、だいすきだよって、そろそろ気付いてね。同性の友達だからって、油断しないでよね
”君からのLINE”
このお題、最近も見た気がする。そんなに運営は私のLINEが待ち遠しいか?確かに欲しいよね、こんなぴちぴちjkのLINE。性格も良くて顔も良い、ちょっとイチャイチャしちゃいたいよね。
この話の流れで、少しだけ今日の話をしようか。たまに家族で宴会をするのだけれど、今日は初めて、父の高校時代の後輩も来たのだ。ここでは仮に、後輩を瀧水くんと呼ぼう。みんな歳の差が開いているね、という話題になった時、年の差婚の話題に転び、私は瀧水さんに「何歳差までなら結婚できる?」と問われた。40歳差は無理だが、30歳差なら愛せるなと思い「30歳差なら結婚できます、共に生きる時間が短いのは寂しいですが」と返した。すると瀧水さんは「30下のこんなに可愛い子と恋愛できるなんて羨ましすぎるよ。俺と結婚する?」と、冗談混じりに言われた。顔も声も良い瀧水さんだ、こんなことは言い慣れてるんだろう。けれど、それでも私は嬉しかった。冗談かもしれないけれど、可愛い子と認められたのが嬉しかった。それも、大好きな彼と同じような年齢の人に。
私だって頑張れば、大好きな彼に「14下のこんなに可愛い子と恋愛できるなんて幸せ。俺と結婚してくれないか」と思ってもらえる可能性が出てきたのだから。けどそれは…こんなぴちぴちのjkだ、性格も良くて顔も良い、イチャイチャしたくなっちゃうよね。“彼からのLINE”、今は持ってさえないけど、いつでも待ってるんだからね
“命が燃え尽きるまで”
ずーっと彼の隣に居たい。永遠に彼のことを考えていて、「彼も私のことで頭をいっぱい」にしてくれる。こんな幸福、他にあっただろうか?今の関係では、そんな関係になるなど夢のまた夢だとしても、夢を、見せ続けて欲しい。
仮に今、「彼が私のことで頭がいっぱい」になるときがあるとしたら、どんなときだろう…?私の成績が急激に下がった時や、彼の担当教科の単位を落とした時だろうか。それとも、先日提出した作文の内容が、先生に対するセクハラだと察せられた時だろうか…。実はこれが、一番濃厚なのだ。夏休みが明けて、やっと彼に会えたのが嬉しかった私は、うっかり先生への恋心を少しだけ、ほんの少しだけチラつかせてしまったのだ。それも、作文という彼の授業を理由にして。これも口頭で説明したわけではなく文章で綴ってしまったので、恐ろしいことに、原文が残ってしまっている。
恐らく「先生に対するセクハラ」ではなく「生徒が教師に恋をしてしまっているのでは無いか?」という不安だろうけれど、これがバレてしまっては今までの関係も(特に関係性はなく教師と生徒以外0に限りなく近いが)崩れてしまう。この恋心を必死に隠しながら彼のことを好きで居続け、今なら彼にお近付きになれる…!というタイミングが私を招くまで、すなわち、“命が燃え尽きるまで”彼のことで頭をいっぱいにしておかなければならないという、私の、私だけの使命なのだ。
“夜明け前”に、彼と2人だけの夜道を歩きたい。街灯が私たちを照らして、はたまた明日を迎える日光を、わたしたち、たった2人で浴びる。
なんて、まだ今は教師と生徒の夢物語を語ったけど、夜とか危ないし、朝方も危ないし、もしも彼がおかしなチンピラに襲われたらどうするの。もしも急に体調悪くなって、辺りに助けてくれる人がいなくて、窮地に陥ったらどうするの。あんなに愛しい彼を外に出したら、そもそもどうなっちゃうんだ…?
やっぱり夢は夢のままが良い、世の中は危険なことが多すぎる。たとえば、生徒が教師に夢中になってしまうだとか。