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5/12/2024, 7:25:22 PM

立派な職業で、それなりの地位、収入を手に入れているあなたは、私の胸の中で眠ることが好きだった。

私も、あなたの髪を撫でながら眠ることが好きだった。

外の顔と私の前での顔が、全く違っていて。
時折おかしくて、そっと微笑んでいた。

大人とは?chatgptに聞いてみた。

「大人とは、一般的には成熟し責任を持つことができる人のことを指します。それは年齢だけでなく、行動や考え方、社会的な責任感なども含まれます」

年齢は関係無さそう。

今はもう、あなたは別の大切な人を見つけたみたいだけど。

やっぱり私は、あなたみたいに、私にだけ見せる顔がある人を探してしまう。

題:子供のままで

5/10/2024, 3:14:04 AM

「俺が10歳の時さ…」

「なに?」

「あにき…」

「うん」


「勝手に俺のプリン食べただろ」


「…忘れろよ」


題:忘れられない、いつまでも

5/8/2024, 8:45:45 PM

2023年5月9日。
昨年の私は、今の私を想像だに出来なかっただろう。

あの頃は全てうまいくと勘違いしていた。

挫折、虚無、喪失を味わった。

2024年5月9日。
来年の私は、今のこの感情をどう感じているだろうか。

人生の肥やしになっただろうか。

それでも、時は進む。

2065年5月9日。
振り返るとなんて、ちっぽけなことだったんだろう。
ひとまず、美味しいご飯食べたらどうにかなるよ。

題:一年後

5/6/2024, 5:21:52 PM

けたたましいアラート音が至る所で鳴っている。

残り15分で地球に、しかも日本に向かって直径9マイル(約15キロメートル)の巨大隕石が衝突するらしい。

道路やオフィスに立ち尽くす人。必死に誰かに電話をかけようとする人。地下に走る人。怒る人、泣く人。怒号、クラクション。警察や救急のサイレン。

私は地球最後の日にむしろ冷静だった。

ニュースやラジオでは、必死に頑丈な建物の中や地下に身を隠すようアナウンスが流れる。内心、そんなので助かるのか、と疑問に思いながら刻々と時間は過ぎていく。

私は一応壁を背にして膝を抱えて座った。
最期に妹と唯一の親友にメールを送る。
窓から覗く空を見上げる。いつも通りの青空だった。

ダメ元で、スマホの中の着信履歴やメール送信の履歴を漁る。届かないとしても、人生で一番愛した人に、ありがとうとだけ伝えたかった。

全てを削除したと思っていたのに、意外にも連絡先に、捨てアカ用のメアドが残っていた。

男性の声のアラート音が急かすように残りの分数を伝えてくる。

私はゆっくりとメールを送った。


同時に、衝撃波が大地を駆け巡った。
建物のコンクリートやガラス、塵や岩、石が粉塵となって大気に舞い上がり、摩擦による稲妻や火災が発生。太陽光が遮断され、硫酸の雨が降り注いだ。

隕石はクレーターを作りながら、巨大津波を引き起こし、地球全体を覆う。

世界は終わった。

「あなたとの思い出が私を支えてくれていた。ありがとう。いつか、また会いたい」

題:明日世界が終わるなら

5/5/2024, 3:59:19 PM

ずっと、俺は孤独にたったひとりで死ぬんだと思っていた。

覚悟はしていたのに、人間とはいい加減で「適当に遊べる人がいたら」と煩悩に塗れた気持ちでマッチングアプリに登録した。

不埒な気持ちで始めたマッチングアプリだったのに、君と出会ってしまった。

メッセージのやりとりの段階で惹かれ、初めて会った時にはもう既に「好きだ」と思った。

回数を重ねる度に、愛おしさが増して「いい歳して」朝起きても、夜寝る時も君の事を考えた。

沼った俺は、君も同じ気持ちだという事が、言わなくても通じ合える関係だと思い込んだ。

君の全てが欲しくなる。分かるだろうと思い、わがままを言ったり、急に喋らないといった子供のような態度をとった。

優しい君は「どうしたの?」と、いつも丁寧に尋ねてくれた。

俺は更に甘えた。
ある日、心配させたくて「別れよう」と言った。

君の返事は「あなたがそう思うなら、それでいい」だった。

全身に痺れが走るほど驚いたのに、いい歳の俺は慌てふためく事も、泣いて詫びる事も出来ずただ立ち尽くし、そこから連絡を断った。

また夏がくる。あれから幾度目かの夏。

君と食べた物を見る度に、今でも思い出す。

君と過ごした一年はとても大切な時間だった。

結局、俺はひとりで死ぬんだろう。

だけど、君と過ごした時間があるから、きっとひとりじゃない。
今はそう思う。

題:君と出会って

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