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3/13/2024, 5:18:19 PM

妻が自宅で待っている。早く帰りたい。

「お若い頃は、何されてたんですか?」

「ずっと会社勤めのサラリーマンだよ。今もそうだ」

「そうですか。お食事はご自身で作られていますか?」

「妻がいるんだから、妻だよ。それはそうと、いつ帰れるんだ?」

「そうですね。身体の事もあるので、ご家族さんと相談してみないと…ですね」

ガラッと、真っ白な部屋のドアが横に開いた。

妻の顔だ。迎えに来てくれて良かった。

妻の名前を呼ぶ。

「何を言ってるのお父さん…お母さんは10年も前に亡くなってるでしょ。お父さんもうすぐ85になるのよ」

目の前の人間は誰だ…

…妻が自宅で待っている。早く帰りたい。




※題「ずっと隣で」

3/10/2024, 10:19:36 AM

とても、個人的な感情。
作話にもならない。

「想像力」

全てがそれで解決されるように思う。

横柄な人からの仕事依頼。
結局それは依頼主の、それしか知らない「可哀想な人」

理不尽な言葉。
結局それは余裕の無い人の苛立ちの「捌け口」

傷つく言い方。
結局それは、語彙力の無い人の「説明と言葉足らず」

誰もが、もう一歩、踏み込んで想像してみる事が出来たら…

世界はもう少し、平和かもしれない。



※題 「愛と平和」

3/8/2024, 12:34:10 PM

お金より大事なものは…

はっきり言いましょう、無いです。

作り話でもなんでも無い、本当の内なる言葉。

食べられない、塾のお金が払えない、行きたい学校に行かせられない…

そんな辛い思いは、誰もしたくないでしょう?



私は頑張って働き、行政書士から実業家として道を開いた。事務所も開き、コネクションを作り、それなりの収入を得られ、投資や土地にお金を注ぎ込んだ。

私が亡くなった今。

3人の子どもたちは、遺留分相続で、調停で争っている。

3/6/2024, 3:09:26 PM

家族を持つことは、手枷足枷と同じ。
僕には耐えられない。責任も持てない。
自由がいいんだ。

だけど性交渉はしたい。
だから、都合の良い女性がいればいいな。
優柔不断だと言われても良い。

苦しい生き方なんかしたってしょうがない。
僕には絆なんて、いらない。

ドクターからICがあった。

胃がん ステージ4 既に腹膜播種も起こしている。

自宅の暗闇の中…家族と一緒に来てください、というドクターの言葉が、頭の中でこだましていた。

3/6/2024, 6:49:45 AM

子どもの同級生のママが、話しているのが聞こえてきた。

「…そう、うちの夫はいつも、ありがとうって言ってくれるの。ご飯を作っても、掃除しても、子ども達と遊びに行ってきても…」

感嘆の息が漏れ、羨ましいと口々に言うのが聞こえた。

彼女は続ける。

「別に大した事なんてしてないし。いつも通りのことをしているだけなのよ。それでも、毎日、何度も言ってくれる…」

嫉妬の色が、空気に混ざる。それでも空気は透明なまま。彼女は続ける。

「…腹が立つのよ。毎日毎日、ありがとうって。ほんと、もっと言う事無い?って思うでしょ」

空気が一瞬にして真っ白になり、笑い声が廊下に響いた。


題:たまには

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