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2/10/2024, 12:05:43 AM

たった一度の関係だったのに、店先に並んでいた500円の小さな花束が嬉しくて。

浮かれた私は、遊ばれたことに気がつかなかった。

気付いた時には、花弁は床に落ち、彼はいなかった。

それから、花を見るだけでも嫌悪を抱いた。
遊ばれたことに気がつかなかった自分を、一番嫌だと思った。

セフレだとか、元彼と友達だとか。

私には合わないようで、その後彼からの久しぶりに来た連絡も無視した。

いつか私は、もう一度。

花束を見て「きれい」だと思えるだろうか。

2/9/2024, 6:19:57 AM

笑顔はこわい。



私は、

笑顔で、

さよならを言った。




嫉み嫉妬、絶望、畏怖、すべてを内包して。

2/7/2024, 6:20:30 PM

「どこにも書けないこと」を、リフレーミングする。

「誰の目にも触れさせられない大切なこと」とも云える。

「誰の目にも触れさせられない大切なこと」を、更にリフレーミングする。

「絶対的な強い想い」と、とれる。

「絶対的な強い想い」とは、その人を成すパーソナルな感情。

「どこにも書けないこと」とは、それ自体が自分自身の核。

では題目の向こう側、そこのあなたの「どこにも書けないこと」から教えてほしい。

2/6/2024, 5:53:55 PM

祖母の家は、午後3時なのにとても薄暗かった。

なぜか周りには誰もいない。

3時ちょうどの重々しい振子時計の音だけが、室内に響き渡る。

幼い私は、恐怖心とも違う、切なさに似た感傷を感じながら、光が差し込む南側のカーペットの上でうとうとしていた。

大袈裟な時計の針の音ともに目が覚める。

ふと顔を上げると、手拭いを頭に巻き、青いもんぺを履いた祖母がタンスの前に立っていた。

私は強い瞼の重みを感じ、またそっと眼を閉じ眠る。

私は微睡みの中で、会った事の無い祖母を「祖母」だと認識していた。

時計の針の音と共に、幼い私が初めて感じた感傷だった。

2/5/2024, 4:03:42 PM

薄暗の中。小さな寝息を立てている、ぷっくりとした頬とおでこを愛でる。

朝の用意をあんなに急かさなければよかった、とか。
あのくらい、叱らなくてもよかったのかな?とか。
洗濯物なんてほっといて、もっとたくさん抱きしめてあげたらよかった…とか。

微睡む時の中で、後悔と反省が宙を舞う。

あまい匂いと抗いようの無い重力で、いつの間にか眠りにつく。



私の無骨で大きな手でも、余り過ぎるほどの愛しさ。


ふと…我が子の向こう側で、すやすやと妻が先に寝息を立てているのを確認してから、再度私は微睡んだ。

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