「本日の天気予報です。今日は全国的に晴れるでしょう。ところにより雨が降るでしょう」
天気予報がそう伝えている。
ところによりってどこよとツッコミつつ、天気予報を見て安心する。
私の住む地域は一日中晴れるみたい。
今日は、幼稚園児の頃から付き合いのある親友とピクニック。晴れてくれなきゃ困るのだ。
私はお弁当を作って、レジャーシート持って…など必要なものをお気に入りのリュックに詰め込む。
持っていくものは全部揃った。
親友との待ち合わせ。彼女はいつも私より少しだけ後に来る。
「ごめ〜ん!待ったぁー?」
彼女のいつものお決まりの言葉。
「ううん、全然待ってないよ。早く行こー!」
こっちは私のいつものお決まりの言葉。
私と彼女は性格は正反対で、好きな人のタイプや趣味も違うから、好きな人や彼氏が被ったこともないし、趣味の話もできないけど、一緒にいると落ち着くのは彼女なのだ。
目的地の公園に着き、レジャーシートを広げる。
ちょうど桜が咲き始めたようで、桜がポツポツと咲いているのが見える。
彼女は桜を見てはしゃぎ、私はそれを見て一緒に笑う。
「ほんと、いつまでも子どもだね(笑)」と言うと
「だって、綺麗なんだもーんっ!」とニコニコしながら言う。
そんな話をしていると、予報外の雨が降り始めた。
「いやー、今日は降らないって予報だったのに」
そう言う私に対して彼女は、
「いいじゃん!たまの雨も楽しもうよ〜!晴れたら、虹見れるかも知れないよ?!」と言う。
私は彼女のこういう明るいところが一緒にいて楽しいのだと、また実感させられた。
「ところにより雨」
長かったけど、ようやく会えた。
君の声を聞いた時は感動して泣いてしまった。
これからどんな子になるのかな。
どんな未来を歩むのかな。
十月十日は長かったよ。
ずっと彼と2人で待ってたんだから。
私と彼にとって、特別な存在。
どんなことがあっても、君を守るから。
私もまだ未熟だけど、一緒に成長していこうね。
大好きな娘へ。
「特別な存在」
どれだけ頑張っても認めてもらえなかった。
褒めてほしくて100点取ったテストを見せても、当たり前だと言って褒めてくれない。
作文で優秀賞だった時も、絵のコンクールで入賞した時も、運動会で1等賞だった時も。
私はただ、お母さんに褒めてもらいたかった。
認めてほしかった。それだけなのに。
ずっと頑張ってきたのが、バカみたい。
なんで出来の悪い弟ばかり褒めるの?
やっぱり同性の私より異性の弟の方がお母さんにとっては可愛いものなのだろうか。
私はもう、認めてもらうのも褒めてもらおうとするのもやめた。
なのに、どうして?
社会人になって、家を出てから私を急に褒め出すの?
弟が引きこもりになったから?
いまさら、もう遅いよ。
私はもう二度と、実家には帰りません。
「バカみたい」
周りに誰もいない。世界は終わってしまったのか。
辺りを見回すと、荒廃した世界が広がっている。
周りに人や動物はおろか、それらの死体すらない。
そんな中、前方に見知らぬ男が倒れているのが見えた。
僅かな望みをかけて、声をかけてみる。
どうやら意識はあるようで、これといった怪我もしてないらしい。
「ん……ここは…どこだ…?」
男はぼーっとしながら周りを見渡している。
私もここがどこなのか、さっぱり分からない。
でも一つ分かっているのは、私はこの見知らぬ男と二人ぼっちってこと。
これからどうしていこうか…なんて、考えながら、私と男は歩き始めた。
数日間一緒にいて、お互い色々なことを話した。
自分がどこの生まれで、自分の好きな物の話や嫌いな物の話、これまでどんな人生を歩んできたのか、など。
話していくうちに、少しずつではあったが、お互いに心を通わせるようになった。
男なんて生き物は嫌いだったのに、不思議な気分だ。
二人で一からこの世界を作り上げていくのも悪くないのかも知れない。
「二人ぼっち」
私は今、夢を見ている。
ここは、オモチャの国。
子どもの頃から憧れだった、シルバニアの世界にいる!
色々な動物たちがいて、色々なお店があって、ずっと歩いてても飽きないし、疲れない!
私はうさぎの女の子と仲が良いみたいで、今はうさぎちゃんとブティックに来てるよ。
可愛い服たくさんあって迷っちゃうなぁ…
その次は、海辺のすてきなレストランでご飯。
海辺だからやっぱり海鮮が有名なのかな?
食べ終わったら今度はパン屋さん!
甘いものは別腹だもんね。
パン買ったら今度は〜!
…あ……れ………?
なんかだんだん意識が……
あぁ…夢が醒める前に、うさぎちゃんの住むあかりの灯る大きなおうちに行きた…い……な………
「夢が醒める前に」