周りに誰もいない。世界は終わってしまったのか。
辺りを見回すと、荒廃した世界が広がっている。
周りに人や動物はおろか、それらの死体すらない。
そんな中、前方に見知らぬ男が倒れているのが見えた。
僅かな望みをかけて、声をかけてみる。
どうやら意識はあるようで、これといった怪我もしてないらしい。
「ん……ここは…どこだ…?」
男はぼーっとしながら周りを見渡している。
私もここがどこなのか、さっぱり分からない。
でも一つ分かっているのは、私はこの見知らぬ男と二人ぼっちってこと。
これからどうしていこうか…なんて、考えながら、私と男は歩き始めた。
数日間一緒にいて、お互い色々なことを話した。
自分がどこの生まれで、自分の好きな物の話や嫌いな物の話、これまでどんな人生を歩んできたのか、など。
話していくうちに、少しずつではあったが、お互いに心を通わせるようになった。
男なんて生き物は嫌いだったのに、不思議な気分だ。
二人で一からこの世界を作り上げていくのも悪くないのかも知れない。
「二人ぼっち」
3/21/2024, 10:13:10 AM