こかぴ

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12/16/2024, 1:54:08 PM

「あらまぁ、こんなに熱あるなら学校はお休みだねぇ。」

私の体温を測った体温計を眺めながら、母がそう呟き、部屋を出て行った。

ずっと風邪なんて引いてなかったのに…
こんなに辛かったっけ…

そんなことを思いながら、自室のベッドで横になっていた。
横になっているうちに、眠ってしまっていたらしい。

時刻は、11時30分。

コン、コン

部屋をノックされた。

「はーい」

返事をすると、母が入ってきた。

「食欲はある?少しでも良いから、何か食べなさいね。これ、置いていくから」

そう言い残し、お粥やプリンを置いていってくれた。

久し振りに食べる母のお粥。
こっちのプリンは手作りみたい。

そういえばこのプリン、私がまだ幼かった頃、風邪を引いた時よく作ってくれてたっけ。
懐かしい…

ふとスマホを見ると、何件かラインが来ている。

「早く良くなってね!」

「寂しいぞ〜!待ってるからね〜!」

親友たちからの連絡だった。
私は周りから愛されてるんだ…。

体は辛いけど、心は温かくなった。

早く風邪治して、お母さんにプリンの作り方聞いて、親友たちにプリン作ってみようかな。



「風邪」

12/16/2024, 2:22:27 AM

今年の積雪は遅い。
もう12月も中旬なのに、少し降っては溶けてを繰り返している。

私は雪が積もるのは憂鬱だが、愛犬のハスキー、イオが雪を待ち侘びている。

いつもの散歩時間はおよそ1時間程度。
雪が積もると2時間。それ以上の日もある。

イオは外が寒くなってくると、ソワソワし始める。

「イオ、雪はまだだよ(笑)」

私がそう声をかけると、少し寂しそうにクゥーンと鳴く。

イオと家族になるまで雪が憂鬱だった私だが、イオと過ごすようになってから私も雪を待つようになった。

また雪が積もったらいっぱい遊ぼうね、イオ。



「雪を待つ」

4/17/2024, 7:53:42 AM

私は鳥籠の中の鳥。
ペットショップで飼われ、この家にやってきた。

お父さん、お母さん、女の子の3人家族。

お父さんはあんまり家にいないけど、女の子は私をよく可愛がってくれた。

ご飯で困ることもないし、時々鳥籠から出してくれる。
この家は広いから、飛びがいがある!


でも、外を飛んでる鳥を見ると、私も大空の下を飛んでみたいなって思ってしまうんだ。



「夢見る心」

4/10/2024, 10:43:07 AM

「今年もやっと咲いたねー!」

満開の桜を見て、隣で喜ぶ彼女。

こうして二人で花見に来るのは、7回目。
僕らはちょうど7年前の3月末、僕からの一言がきっかけで付き合うようになった。

僕は彼女のことが好きで、それは今も変わらない。
だから、付き合えた時はとても嬉しかった。

毎年、記念日には思い出の場所に来て花見を楽しんでいる。

だが今年は開花が遅れ、4月になってから咲き始めた。

咲くまで行くよ!という彼女に連れられ、毎週ここに足を運んでいた。
3月中に咲くことはなくて、4月になってからもここに来てるってわけですよ。


僕はまだ心の準備ができてなくて誘えなかったが、彼女が誘ってくれたから勇気が出た。

「今年も一緒に見られて良かったよ、いつもありがとう。今日は、プレゼントしたいものがあってね…」

「あら、奇遇だね!私もプレゼントがあるの!」

僕が彼女に渡したプレゼントは、婚約指輪。
彼女が僕にくれたプレゼントは、かけがけのない新しい命だった。

風で桜の花びらが宙を舞う。

やっぱり、春って最高…
僕は今、桜の花びらに包まれながら、幸せを噛み締めている。



「春爛漫」

4/10/2024, 8:56:20 AM

僕は人よりも劣っている。
勉強も苦手で、運動もできない。

だから、学校ではよくからかわれる。
最初こそ満更でも無かったが、最近は度が過ぎており、いじめられてるように感じるようになった。


そんな僕でも、大事にしてるものがある。

何年も前から集めてきた大事なコレクション。


僕は、機械をいじるのが好きで、休みの日は度々リサイクルショップへ行っては、所謂ガラクタを集めている。

このガラクタの山は、僕にとっては宝物で、大事なコレクションなのだ。

そのガラクタでPCを作ったり、家のテレビやゲームを治したりしている。

学校では冴えない僕だが、家では誰よりもずっと頼りにされている。
何か壊れたら僕を頼ってくれる家族がいる。

今は暗くても、未来は明るい。

僕はこれからも、ガラクタ集めを続けようと思う。



「誰よりも、ずっと」

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