私は鳥籠の中の鳥。
ペットショップで飼われ、この家にやってきた。
お父さん、お母さん、女の子の3人家族。
お父さんはあんまり家にいないけど、女の子は私をよく可愛がってくれた。
ご飯で困ることもないし、時々鳥籠から出してくれる。
この家は広いから、飛びがいがある!
でも、外を飛んでる鳥を見ると、私も大空の下を飛んでみたいなって思ってしまうんだ。
「夢見る心」
「今年もやっと咲いたねー!」
満開の桜を見て、隣で喜ぶ彼女。
こうして二人で花見に来るのは、7回目。
僕らはちょうど7年前の3月末、僕からの一言がきっかけで付き合うようになった。
僕は彼女のことが好きで、それは今も変わらない。
だから、付き合えた時はとても嬉しかった。
毎年、記念日には思い出の場所に来て花見を楽しんでいる。
だが今年は開花が遅れ、4月になってから咲き始めた。
咲くまで行くよ!という彼女に連れられ、毎週ここに足を運んでいた。
3月中に咲くことはなくて、4月になってからもここに来てるってわけですよ。
僕はまだ心の準備ができてなくて誘えなかったが、彼女が誘ってくれたから勇気が出た。
「今年も一緒に見られて良かったよ、いつもありがとう。今日は、プレゼントしたいものがあってね…」
「あら、奇遇だね!私もプレゼントがあるの!」
僕が彼女に渡したプレゼントは、婚約指輪。
彼女が僕にくれたプレゼントは、かけがけのない新しい命だった。
風で桜の花びらが宙を舞う。
やっぱり、春って最高…
僕は今、桜の花びらに包まれながら、幸せを噛み締めている。
「春爛漫」
僕は人よりも劣っている。
勉強も苦手で、運動もできない。
だから、学校ではよくからかわれる。
最初こそ満更でも無かったが、最近は度が過ぎており、いじめられてるように感じるようになった。
そんな僕でも、大事にしてるものがある。
何年も前から集めてきた大事なコレクション。
僕は、機械をいじるのが好きで、休みの日は度々リサイクルショップへ行っては、所謂ガラクタを集めている。
このガラクタの山は、僕にとっては宝物で、大事なコレクションなのだ。
そのガラクタでPCを作ったり、家のテレビやゲームを治したりしている。
学校では冴えない僕だが、家では誰よりもずっと頼りにされている。
何か壊れたら僕を頼ってくれる家族がいる。
今は暗くても、未来は明るい。
僕はこれからも、ガラクタ集めを続けようと思う。
「誰よりも、ずっと」
私の大事な宝物。
幼い頃からずっと大事にしてきたものだ。
お出かけの時も、寝る時も、何する時も一緒。
私の大事な友達、いや、親友といってもいいかな。
うさぎのぬいぐるみ、ミミ
ミミは、何も喋らないし、表情が変わることもないが、私の一番の理解者。
大人になった今でも、私の隣にいる。
最近は車の免許を取って、車も買ったので、助手席には必ずミミを乗せている。
これからも、ずっと、私の隣はミミだよ。
「これからも、ずっと」
今日も朝が来た。
いつものように、仕事に行く準備をする。
電車に揺られて45分ほどの場所に会社はある。
月曜日の7時45分。今日も電車は混んでる。
それぞれこれから学校や会社に行く為なのか、皆憂鬱そうな顔をしている。
私もその中の一人だ。
今週は忙しいなぁ。
これやってあれやって…
いったい何時に終わるのだろう。
でも、今日も定時で帰ろう。
私は会社の目の前にある歩道橋から、沈んでいく夕日を見るのが好きだ。
今日もまた夕日を見たい。明日もまた見たい。
だから、今週も頑張ろう。
「沈む夕日」