Omothi

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9/3/2023, 10:28:36 AM

夕焼けが綺麗だった。
ご飯が美味しかった。
何処かの誰かから温かいハートが届いた。

そんな些細なことでも、今日の私の幸せ。


〝些細なことでも〟

9/2/2023, 11:57:58 AM

「これをお前さんに。」

そう言って、神様は僕に一本のろうそくをくれた。
そっと火を灯し、僕の両手に握らせる。

瞳で跳ねるその小さな灯りは、僕の心を照らす温かさらしい。

「これから先、幾度となくこの灯りが消えかけることがあるだろう。されど、これだけは覚えていてほしい。」

「容赦ない雨風からその灯りを包み込み、お前さんを照らしてくれる〝灯り〟に出逢う日がきっと来る。」

神様はふっと目を細め、優しく頷いた。


あの日からどれだけの月日が経っただろうか。
社会に出てからというもの、僕の心は大嵐に見舞われることが殆どなような気がする。
神様……まだですかね? と尋ねたい自分の心では今日も、小さな灯りが静かに揺れているのであった。


〝心の灯火〟

9/1/2023, 11:57:26 AM

一人寂しく、売れ残りのアジフライを口に運ぶ。
誰もいない家に咀嚼音が響くことにどこか虚しさを感じる。

スマホの通知音が鳴った。
どうせまた興味の無い公式アカウントだろう。

「は?」

鼓動が変に脈を打ち、背中に冷や汗がつたる。
僕は深呼吸をしてスマホを伏せた。

こんなもの既読をつけられるわけがない。

「こんばんは! 私はあなたのお腹の中のアジフライです♡♡」


〝開けないLINE〟

8/31/2023, 11:20:54 AM

ピーピーピー
無機質な電子音が鳴る。
何もおかしくないはずなのになぁ、と中年の男が首を傾げた。

この男によって作られたロボット、それが僕だ。
人間のような感情をもつ最新型らしい。

ピーピーピー
何だろう、何かが足りない。
部品は全て揃っていて問題ないはずなのに。

人間はいつもこんななの?


〝不完全な僕〟

8/30/2023, 10:12:01 AM

君に逢えた、ただそれだけで涙が溢れるくらい恋をしていた。
君の日々の不可欠でありたかった。

わかっているよ、もう会えないことなんて。
あの日からずっと、心から君が離れてくれないんだ。

君とすれ違った時に香る匂いが好きだった。
何の香水を使っているの、なんて聞けやしなかったから。
今宵も僕は、君のふりをした香水に包まるんだ。


〝香水〟

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