NoName

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6/2/2025, 10:41:07 AM

あたしとタメ子の2人、暗くなった通学路をだらだら歩いていた。部室で片付けに追われていたせいで下校時間ぎりぎり。しかも正面玄関を出て、信号に引っかかっている間に雨がざんざか降り出した。もう最悪。
タメ子が折りたたみを持ってきていたから、なんとかなったけど。


「雨、止まないね」

「明日ほんとに大会やるのかな」

「朝までにはなんとかなるっしょ。そうじゃなきゃ困るわー」

「……そんなに楽しみなわけ?」

「いや別に。でもまあ早く終わって欲しくね?」

「応援とかだるい」

「あー。わからんでもないけど」

「先輩達がやる気出すのは勝手だけどさー。…うちらが金賞とれると思う?」

「普通に考えたら無理。なんでそんな目標目指すのか理解不能」

「そー。巻き込まんで欲しいわ。…明日具合悪くなろっかな」

「逃げんなしー。あんたがサボッたら同期全員顧問に絞められるー」


ふたりだけで愚痴を溢して、あたし達はまただらだらと歩き出した。
あたしもタメ子も気が重い。負け戦とわかっていながら、明日を迎えなきゃならないんだから。

-傘の中の秘密-

6/1/2025, 3:14:47 PM


空高く


蝶が飛び立つ


雨上がり


傘の雫も

春夏を忘れる

5/31/2025, 12:15:46 PM

勝ち負けなんて

どうでもいいよ


せいぜい少しだけ

早くゴールしたかどうか

数が多いか少ないか

タイミングがあったか否か

ほんのわずかな差しかない


結婚という人生の晴れ舞台まで

勝負ごとにしなくても

いいんじゃないでしょうか

5/30/2025, 12:30:49 PM

地球の速度で回り続ける

あなたとあなた

わたしとわたし


まだ続く物語は

月と太陽を

結びあわせ


週明けの午前0時に

封を切る

日常という 群像劇


 

5/29/2025, 12:05:22 PM


空をゆく 鯨もいれば

地を這う 渡り鳥も

ナシを追いかけて笑う蟹も

人家に山の幸を届ける狐も

この世には存在する


物語を書く人が いる限り

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