あたしとタメ子の2人、暗くなった通学路をだらだら歩いていた。部室で片付けに追われていたせいで下校時間ぎりぎり。しかも正面玄関を出て、信号に引っかかっている間に雨がざんざか降り出した。もう最悪。
タメ子が折りたたみを持ってきていたから、なんとかなったけど。
「雨、止まないね」
「明日ほんとに大会やるのかな」
「朝までにはなんとかなるっしょ。そうじゃなきゃ困るわー」
「……そんなに楽しみなわけ?」
「いや別に。でもまあ早く終わって欲しくね?」
「応援とかだるい」
「あー。わからんでもないけど」
「先輩達がやる気出すのは勝手だけどさー。…うちらが金賞とれると思う?」
「普通に考えたら無理。なんでそんな目標目指すのか理解不能」
「そー。巻き込まんで欲しいわ。…明日具合悪くなろっかな」
「逃げんなしー。あんたがサボッたら同期全員顧問に絞められるー」
ふたりだけで愚痴を溢して、あたし達はまただらだらと歩き出した。
あたしもタメ子も気が重い。負け戦とわかっていながら、明日を迎えなきゃならないんだから。
-傘の中の秘密-
6/2/2025, 10:41:07 AM