#羅針盤
羅針盤は、私の脳みそ。
指し示す方向は、果たして正しい?
平穏であれ、普通であれ、凡庸であれ。
そういう私であるよう願ってモラトリアムを生きてきたが、果たして今聴いているjpopは私の心を動かしているのか?
羅針盤、羅針盤。
私はこのままで良い?
あんたの言動や行動は変だと言われることは、もう、うんざり。
流行りだのミームだのトレンドだのには、さらさら目が追いつかない。
あー、羅針盤。
今すぐにでもいかれてしまいそうなボロなのに、壊れてくれない。未来をどう決めていくべきか決めあぐねたまんまでずっと足はとまっている。
いっそ新しく取り替えてしまえば良いものか? 人とのつながりを犠牲にして。
自分らしさは、時として自分の首を絞め、殺してしまう。
自分らしく生きられたとて、普通な世間はちょっと冷たく私をあしらってくる。
羅針盤が指し示す方向なぞ、どうせもうわかりきったものなのだが、もうすこしだけ阿呆でいさせてほしい。自分の首を絞めることになってもかまわない。
#ただひとりの君へ
大勢の集団が苦手な私に気がついてか知らないが、貴方は私と一緒に輪から遺脱するように「あっちに行こう」と言った。私はそいつのことを気に入っていたので断る理由もなく背中を追いかけた。
少し前、アルバイト先の上司からバイト終わりに遊びに行こうと誘われた。それは我々スタッフら20人程度を集めてアミューズメント施設に行き遊び散らかそうというものであり、丁度私もしたい遊びがあったのでOKをし、現地に集合した。
何も私は人といることが嫌いなわけじゃない。二人とか、少ない人数でなら楽しい時間を自ら生み出そうと奮起できる能力はある。人数が増えるだけ、委縮してスミの方でつい丸まりがちになるものの、集まりに誘われれば一応付いていくくらいの社交性は持ち合わせている。
陽キャとか陰キャとか今時区別するのもナンセンスなのは分かっている。だがどうしても私の中の卑屈陰キャ根暗根性が、この集まりは我々陰の者が参加してはならないと不要すぎる警鐘を適宜いいタイミング(嫌なタイミング)で鳴らしてくる。私はその思考を頭の片隅に追いやり、陽の者が発している言葉を真似しながら取り敢えず馴染むだけ馴染もうと努力した。
したい遊びは現在地よりもちょっと外れたところにあるのだが、1人スックと立ち上がって「すんませんーちょっと向こうで私のしたいゲームをよろしくやっちきてもいっすかー」とは言いにくい。これがオタク同士の集まりならばすんなり行けるのだが、今回はバイト終わりの遊びの会なので自重した。
アミューズメントな遊びをしだして5時間位たち、もう、ちょっと、さすがに体力的にも気遣い的にもきちぃくなってきたところだ。と、貴方が私のそばに来て、私が今1番欲しい言葉をくれた。
貴方の背中を追いかけ、2人きりになったところで、お前のしたいことをしようと言われてしまったので、遠慮なく外れ区域に向かってさらに駆け出し、したい遊びの限りを尽くした。あーー楽し!普通の友達とはわざわざ誘ってまでしないような遊びにも付き合ってもらってとーても楽しかった!
そのあとなんだかんだあって私は貴方の前で泣いてしまったのだが、元気づけてくれる貴方の一生懸命な姿を見ていたら、自然と私も元気になれた。ずっと目を見て話せていなかったが、今はちゃんと貴方の目を見て話せるようになれた。ありがとうの言葉も、なるべく目を見て。
そしたらしつこくからかわれた。
最近すごく良い思い出があったので日記にしました。ただ一人の貴方に向けた、かなりキモめのありがとうメッセージ(激キモ)
# 時を告げる
おわかれの時を告げる。気づいた頃にはもういなかった。あなたは私の前から消えてしまった。
一人っ子だった私にとってあなたは唯一の姉のような存在だった。空気が読めなくて少々オテンバ。時々ミーハーで、たまに大雑把。悩み事を打ち明ければいっしょに悩んで考えてくれる人。嬉しいことがあれば真っ先にあなたに報告しに行っていたのだけれど、いつもいつも全力で喜んでくれた。反対に悲しい話をすれば、私よりも泣いてくれた。冗談のつもりで「姉のような存在だと思っていますよ」と言ってみたら執拗にお姉ちゃんと呼ばせようとしてきて正直鬱陶しかった。自分の感情のままに天真爛漫に、周りを明るく照らしてくれる人。
大好きだった。
あなたとお付き合いをしていた彼が最期を見届けたみたいだけど、彼は「一人になりたい」とぼそり告げてすぐどこかに行ってしまった。
あなたはもう消えてしまった。祈ることでしかあなたには会えない。
あなたの世界はもう見えない。
# 些細なことでも
些細なことでもいいから、君のことが知りたいと。
そう思えたのは初めてのことで、それは今もなおである。毎日毎日私は君を求めて生きているんでしょうね、と実感している。
朝起きて、君の顔を見るだけで脈の落ち着きがなくなるので「これはいよいよ心臓に悪い」と思いながら簡易的な身支度をするためせっせとベッドから出る。君の寝顔は綺麗で無防備で見目がいいのでずっと見ているとポカポカした浮いた気持ちになってくる。起きているときと寝ているときのギャップが結構ある君なので、ついじぃーっと見てしまう。いけない、これじゃー準備がままならないね。私は君を視界から無くし、身につけている寝巻きに手をかけた。
君のかっこよさによく感銘を受ける。他の女性から声をかけられることがしばしばあるし、本人はスマートにそれらをかわしてくれているけど、相変わらずモテモテだなぁと思ったりする(若干の僻みもこめて)。そんなモテモテさんの君が今さっきまで私の隣でぐうぐう寝てたもんだからなんだか申し訳なく、いや、私が独占してしまいはていいんでしょうかと不思議な気分になってくる。
身支度もあらかた終えたので、そろそろ君を起こさないとと思い、ベッド脇に向かう。君の寝顔に優しくペチペチしながら「起きて起きて、朝ですよ」とモーニングコールをした。君はいつも寝覚めが悪くてたまに理不尽な当たりを食らうのでしつこすぎないように。君がよくわからないお寝ぼけ発言をしながら身を起こしたのを確認し、「私は先に顔洗いにいってます」とひと声かけ、寝室を後にした。
今日はいつもより君のことが好きな日なのかもしれないと思った。