# 時を告げる
おわかれの時を告げる。気づいた頃にはもういなかった。あなたは私の前から消えてしまった。
一人っ子だった私にとってあなたは唯一の姉のような存在だった。空気が読めなくて少々オテンバ。時々ミーハーで、たまに大雑把。悩み事を打ち明ければいっしょに悩んで考えてくれる人。嬉しいことがあれば真っ先にあなたに報告しに行っていたのだけれど、いつもいつも全力で喜んでくれた。反対に悲しい話をすれば、私よりも泣いてくれた。冗談のつもりで「姉のような存在だと思っていますよ」と言ってみたら執拗にお姉ちゃんと呼ばせようとしてきて正直鬱陶しかった。自分の感情のままに天真爛漫に、周りを明るく照らしてくれる人。
大好きだった。
あなたとお付き合いをしていた彼が最期を見届けたみたいだけど、彼は「一人になりたい」とぼそり告げてすぐどこかに行ってしまった。
あなたはもう消えてしまった。祈ることでしかあなたには会えない。
あなたの世界はもう見えない。
9/6/2024, 10:36:01 AM