晴れた空に雨が降り注いだ
お天気雨とも呼ばれるこの天気は
一段と太陽が輝いて見える
雨粒の一つ一つが
太陽の光を反射しているからだろうか
濡れた地面、建物、植物が
さらにその光を、明るく跳ね返して見せた
雨と晴れというのは
正反対の天気ではあるが
それらが重なると
一段と輝いて見えるようだった
私は、ここに存在している私が嫌いだ
嫌いな物を、全くの無関係な他人にまで見せたら
その人が不憫でならない
だから、私は一人でいたい
祭りだ
家族、カップル、友達、仕事仲間
色んな関係の人々が
この1つの空間に集まっている
僕は1人だ
君は寂しそうだと思うかい?
意外と1人も楽しいものだよ
特に高台から見た気色は最高だ
提灯や屋台の暖かい光が、この広い空間を彩っている
賑わいからか、その彩りがさらに鮮やかに見えた
君は行かないのかって?
いいよ僕は
どうせ何か買えるわけでも遊べる訳でも無い
僕は人間の楽しそうな様子を見られるだけで
充分楽しいよ
「なんで僕のせいにするの」
帰宅途中の私は
急に目の前に現れた少年にそう言われた
迷子だろうか
「どうしたんだ? 誰も君のせいになんかしてないよ」
「嘘だ、僕は見てきた。
皆、何もかも、全部僕のせいにするんだ。」
少年は真っ直ぐ、私の目を見てそう言った
困ったな、ちょっと厄介な子どもだ
私はこういうのを扱うのに慣れていないというのに
ここは面倒だし、適当に流しておこう
「まあ。なんだ。
多分、今まで見てきたのは君に対してじゃない。
神様だ。皆神様に対して言ったんだ。
上手くいかなかった時とか
運が悪かった時とかによく言うだろ?
きっと神様に対して言ったんだよ」
……適当すぎただろうか
しかし、少年は「そっか」と笑い
私を通り過ぎて、どこかへ行ってしまった
良かった
少し心配したが、何とかなったようだ
私はその後、そのまま家へ帰った
コーヒーと、今日買ってきたクッキーを食べ
ゆったりとした時間をくつろいだ
暇だしテレビでも付けよう
私は絶妙に遠いリモコンを何とか取り
テレビを付けた
……ジジ……
「『速報です。ただいま、直径10kmの隕石が落ちて来ていると速報が入りました。あと3時間程で大気圏に突入すると予想されており___』」
「……は?」
はは
はは、なんだ、今日はエイプリルフールではないぞ?
はは、はは
そうか、きっとこれも神様の仕業だ
神様を怒らせるなんて
誰がそんなことをしたんだか
罰当たりな奴だ
きっとそいつは地獄にでも落ちて
神様に裁きを与えられるのだろう
無間地獄に堕ちて
永遠に苦しむんだ
「ああ!! 可哀想に!!」
私はコーヒーカップを膝に落とし
ただひたすら笑うことしか出来なかった
誰かのためになるならば
そう言ってあなたは
この私を置いていったね
君はいつも自分の周りにあるものを見落とす
遠くを見るのも良いが
たまには身の回りも見て欲しいものだ
今の私は
君のせいで
手に届くはずのない星を見つめている
元々星なんて好きじゃないのにさ
もし
もしも君が流れ星となった時は
私のために
私の元に落ちてきてくださいね