死になさい。命のために
生きているのは辛い。
あなたもそう思いませんか?と、今日の担当執事に聞いてみたら、彼はまっすぐこちらの目を見て、主様のために生きます。と言った。
そんなに直球に言えるなんて羨ましい。眩しい。
僕にも誰かの、何かの役に立つために生きることができないことか。自分には難しいなと考えた。
主様は主様のために生きてくださいね。執事は優しく微笑みながら紅茶を淹れてくれる。
自分のために生きるのも難しそうだ。生きているのが辛いんだもんね。
それでも執事はそんな僕のことを支えると言ってくれた。
僕は優柔不断だから、すぐに意見を変えてしまう。執事に温かい言葉をかけられて、自分のために生きてもいいかな、なんて思った。だって、彼が支えてくれるらしいからね。
僕がこうして彼に身を預けることで、支える側の彼のためにもなっているのかもしれない。それだったら、思う存分生きようかな。彼に支えられるために、猫のように生きようかな。
誰かのためになるならばについて
今一番何が欲しいかな。この間までは自由な時間でした。今は仕事を辞めて自由になって、やることもなくて時間がいっぱいある。欲しかった時間は得られている。今一番欲しいものと言われてもピンと来ないくらいに充実しています。働かなくてお金も時間も得られたらいいのに
今一番欲しいものについて
この空は、未来や過去にも同じように続いているのだろうか。僕たちがみている空は、
空を見上げて心に浮かんだことについて
おはようございます主様。
今日も執事が起こしてくれる声がする。起きられますか?と聞かれては、起きられないと言うほかないだろう。執事は苦笑して頭をやさしく撫でてくれた。少しの間、柔らかくて甘い空気が流れる。朝食の用意が整っておりますので、お体を起こしましょうね。と言われたので、しぶしぶ起き上がることにした。
瞼を開ければ眩しい光が目をさす。反射的につぶってしまった。しぱしぱ、光に慣らすように少しずつ目を開けて、やっと執事の顔を見ることができた。
おはよう。
挨拶をすると、おはようございます。と返してくれて、眩しかったでしょうか。カーテンを閉めますか?とも聞いてくれた。優しいな。あたたかいな。
寝ぼけていると思われていいから。眠いのを言い訳にして、ベット脇に屈んでいる執事に抱きついてみた。
朝の明るい日差しを浴びて、肺に空気をいっぱい吸い込んだ。朝の香りと執事の匂いが心地いい。安心するなとスリスリすると、あらら…と困った声が頭上から聞こえた。もう一回頭を撫でられて、その手が背中にするりと降りて、優しくぎゅっと抱きしめられた。
はい、おしまいです。
そう言うと執事は離れていき、先ほどまでのあたたかな雰囲気とはうってかわって、朝の空気は静かにひんやりとしたものになった。諦めて食事に行く支度をしようかとベットを抜け出し執事の顔を見ると、赤い。
日差しに照らされてよくわかる。暖かい気持ちになった。
日差しについて