まるくに

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おはようございます主様。
今日も執事が起こしてくれる声がする。起きられますか?と聞かれては、起きられないと言うほかないだろう。執事は苦笑して頭をやさしく撫でてくれた。少しの間、柔らかくて甘い空気が流れる。朝食の用意が整っておりますので、お体を起こしましょうね。と言われたので、しぶしぶ起き上がることにした。
瞼を開ければ眩しい光が目をさす。反射的につぶってしまった。しぱしぱ、光に慣らすように少しずつ目を開けて、やっと執事の顔を見ることができた。
おはよう。
挨拶をすると、おはようございます。と返してくれて、眩しかったでしょうか。カーテンを閉めますか?とも聞いてくれた。優しいな。あたたかいな。
寝ぼけていると思われていいから。眠いのを言い訳にして、ベット脇に屈んでいる執事に抱きついてみた。
朝の明るい日差しを浴びて、肺に空気をいっぱい吸い込んだ。朝の香りと執事の匂いが心地いい。安心するなとスリスリすると、あらら…と困った声が頭上から聞こえた。もう一回頭を撫でられて、その手が背中にするりと降りて、優しくぎゅっと抱きしめられた。
はい、おしまいです。
そう言うと執事は離れていき、先ほどまでのあたたかな雰囲気とはうってかわって、朝の空気は静かにひんやりとしたものになった。諦めて食事に行く支度をしようかとベットを抜け出し執事の顔を見ると、赤い。
日差しに照らされてよくわかる。暖かい気持ちになった。


日差しについて

7/2/2023, 11:35:58 AM