子供が大きくなると始まる反抗期。
そして私の更年期。
お互い顔を見ると一言言いたくなり
言い返したくなり 顔を見たくなくなり
イライラ イライラ イライラが
たまっていくのが ドアの閉め方
返事の仕方で分かっていく。
そんな時 半日の一人旅によく出かける。誰にも分からないプチ家出。
家事を終わらせて「出かけてくる」と
一声かける。「はーい」と返事。
交通機関を利用し1時間程の移動
そこから私だけの内緒の時間を過ごして
夕方には帰る。
あんなにイライラしていたのに
帰る時には 家族の分のお土産を
必ず買ってくる。
「ただいま」と帰ると
イライラさせてくれた人が必ず言う。
「お土産なぁに?」
子供の時のアニメに出ていた
ハムスターの名前が『スピカ』
動物が飼えない家庭だったから
親にねだって スピカのぬいぐるみを
買ってもらったっけ。
小学生になって 乙女座の一等星の
名前が スピカだと言う事を知る。
何となく身近に感じて 星座を覚えるのが 楽しくなった気がしたあの時。
動物を飼う事ができたら
そんな名前をつけてみたいと思う反面
今は何だか恥ずかしくて あの頃の
思いついた名前はつけられてないんだろうなと思っている。
今日は寒いから
晩御飯は豚汁と枝豆ご飯。
豚汁の具はどうしょうかな‥‥。
冷蔵庫の中を見ながら具を考える。
まずは、もちろん豚肉
ジャガイモ にんじん 玉ねぎ
豆腐 こんにゃく ゴボウ 白菜
あっ‥。冷凍庫に油揚げもあった。
これも入れちゃえ。
しまった。物凄い量になってしまった。まぁまぁ‥、明日は休みだ余っても
何とかなるでしょう。
後は、ご飯に枝豆混ぜて塩で味付け
白胡麻混ぜましょう。
なんか物足りないな。魚でも焼きますか。小松菜のおひたしも作りましょう。
さぁ‥。後10分後にご飯だよ〜。
テーブルに着かないとお母さん先に食べてるからね〜。
「お母さん これ食べたい」
そう言って 持って来たのは
『金平糖』だった。
スーパーマーケットに子供と一緒に行った時のお約束。
お利口さんにしていたら お菓子一つ買うよ。
その約束で持って来た本日のお菓子は
カラフルな『金平糖』
「いいの?」と聞いたら
「お星様みたいだから食べてみたい」って。
家に着いてからお気に入りの豆皿に
一粒ずつ丁寧に出し ゆっくりと口に入れ、ゆっくりと母の顔を見る。
「お母さん、これは凄く優しい味だね」と神妙な顔で言う。
色違いの金平糖を5粒食べ終わると
自分専用のお菓子ボックスに壊れない様に静かに閉まっていた。
お気に入りがまた一つ増えたらしい。
今年は元旦から時間仕事だった。
まだ少しお祭り感のある居間に1人
いつもの通りの出勤準備だけど
いつもと違う私だけの出勤準備。
玄関のドアを開けると
みかん色の日の出が眩しくて目を細目くしてしまう。
今日は冬晴れ。
歩きながら冷えた空気を取り込むと
ちょっとだけ、得した気分。
会社近くの雑木林を付近を歩いていると、1本の木を見上げている女性が1人。
つられて、見上げるとリスが小さな木の実を食べていた。
いつもの道なのにいつもと違う風景。
いつもと同じだけど、いつもと違う。
日常の中の小さな幸せを
今年は見つける事ができたら良いな。