お題を見た時に思い浮かんだもの、それは金平糖である。日本には青いお菓子は、基本的にかき氷のブルーハワイくらいしかない。日本人は青色が食欲に繋がらないと聞いた覚えがある。海外では青い食べ物も結構あるので、恐らくは文化的なものだろうと個人的に思う。
だが例外は金平糖だ。青くても美味しそうに見える。青、白、桃、緑、黄色、色んな色の金平糖が混ざってひと袋に詰められていて、小さな金平糖はまるで星砂のように可愛らしくて。
小さな金平糖をひと粒ずつ、大事に大事に食べるのが好きだった。
【色とりどり】
昔はね。雪は本当に真っ白だったの。融けても泥水ではなくて、そのまま飲める水になったの。ばあちゃんの疎開先は、とっても空気も水も綺麗だったのよ。
そう僕はばあちゃんに聞かされてきた。
ばあちゃんは目を細めて言う。
初雪をね、どんぶりにいっぱい盛ってね。貴重だったお砂糖をそっとかけてオヤツにしたの。美味しかったわあ。
どんなに美味しかったのだろう。今作るかき氷なんて目じゃないくらい貴重で、美味しいオヤツだったのかな。そういえば、ばあちゃんはかき氷は「しぐれ」が好きだ。シンプルさが、雪のご馳走を思い出すのかもしれない。
【雪】
ねえ、君。僕の大親友。
僕のことを唯一分かってくれる大切な友。
君と一緒にいたい。
いつまでも、いつまでも。
でも君はただひと言、ニャアと鳴いて、目を閉じた。
ダメだ。まだ逝っちゃダメ。僕と一緒にいて。
僕には、君しかいないんだ。
僕は冷たくなりゆく君を抱きしめる。
涙が止まらない。
ああ、引き留められず、君は逝ってしまった。
僕も君と一緒に。ずっと一緒だからね。
僕は君を抱えたまま、マンションのベランダから身を投げた。
【君と一緒に】
初冬の晴れた気持ちの良い日を、小春日和と呼ぶ。これは冬の季語でもある。冬晴れという言葉は、小春日和とはもう呼べないほど冬が進んだ頃の、木枯らしが吹かず、空が澄み渡って暖かい日を指す。冬日和ともいう。
温暖化のせいか、雪も少なくなっているし、冬日和も増えてきている気がする。近くにスキー場があるが人工雪に頼らねばならない様子であるし、山の峰々は真っ白にまでは冠雪せず、山肌が若干見えている気がする。雪解け水を水源としているうちの県では、山に夏まで残る雪渓などは貴重な水源でもある。その雪が積もらない。夏まで残らない。これは危機的状況なのではないかと密かに危惧する次第である。
気持ちの良い冬日和でも、先を思って悲観的に考えてしまいがちなわたしである。
【冬晴れ】
小さい頃から幸せは自分で決めることだと思っていた。少女パレアナを読んだのはもっと後の話。
父は食事の席で酒をあおっては兄に暴言暴力を振るった。母は止めもせず見てみぬフリをしていた。暴言暴力は三時間に及ぶこともあった。父は自分の激昂に興奮してどんどんエスカレートした。殺されかねないと思うことも多かった。兄の次はわたしだ。実際に暴力を受けるより、目の前で見せつけられることが怖かった。
だから日記に毎日、「明日はもっと酷いから、今日はきっとまだ幸せ」と綴っていた。兄が殴られない日を記そうと思ったが、途切れることなく毎日続いた。
空が綺麗であれば、きっとわたしは幸せなのだ。
そう思い込もうと努力していた、小学生の思い出。
【幸せとは】