海の底に沈んでいた私
そんな私の手を取って
光を見せてくれた貴女
そんな貴女の優しさに
たくさん抵抗してしまった
勿論暗くて寂しいけれど、
静かに留まっているだけで良い、
そんな海底から出るのが怖かったから
光を求めてしまう、そんな自分に
素直になれなかったから
それでもかつて、海の底に沈んだ貴女は
明るい光の中で生きる強さを得る、
その前に深海を見た貴女の言葉は
私の冷えた心を暖めるのに十分だった
たくさん迷惑をかけてしまった
そしてきっとこれからもかけてしまう
ちょっと日差しが強くなると
微かに気温が変わると
少し雨が降ってくると
すぐ海に沈んでいって、
海の底に戻りそうになってしまう私
でもその度に、いつも貴女は
私を包み込んでくれる
日差しから、雨から、どんな物からも
守ろうとしてくれる
それは決して過保護じゃなくて
私が我慢出来る時は静かに寄り添って
私の成長を見守って、手を握っていてくれる
そして私の弱い心が耐えられなくなって
泣きながら沈んでいく前に
貴方はいつも、優しく抱き留めてくれるんだ
だから私も頑張ろう
成長して、もっと強くなろう
だって、私を救ってくれた、そんな優しい貴女に
寄りかかってばかりではいられないもの
決してただ強いだけでない貴女
私が唯一心から笑える、大好きな
貴女も繊細で、私を守って鋭く痛い日差しを
浴びていい人じゃない
私が憧れて、何処までも尊敬する
貴女も華奢な姿で、私を守って強く冷たい雨に
打たれていい人じゃない
でも、私が謝っても、黙って抱き締めてくれる、
そんな貴女だから
私は感謝を込めて、
成長した自分に向かって努力するんだ
それがきっと、貴女に私が出来る、唯一の恩返し
いつか、貴女の元から自立して、
そして、貴女と寄り添え合える、
そんな自分になれたらいいな
自分ってなんだろう
何が本当の私なのか分からなくなって
自分の事を、自分の感情を見失って
かなりの時が経つ
そっと差し伸べられる手を
取ろうとしながら離してしまう
そんな私の手は震えている
静かに暖かく寄り添ってくれる
その温もりを私はいつも素直に
受け取れない
一重に自分が分からないから
自分という存在を掴めなくなったから
いつしか雫を零している
どこかの「私」は叫んでいる
会いたい、姿を現して、と
君の事を私はきっと受け入れるから
だから私と一緒に過ごそう?
そう願うのも、私
姿を隠すのも、私
ーーー君に会いたくてーーー
傷口がある時
身体が弱っている時
いつもの寒さが身に堪える
少しの寒風でも苦しくなる
寒さで麻痺した体に
痛みだけが増していく
寒さで固まった体は
更に冷えていくばかり
私の心の冬
春の来ない冬
寒さばかりが身に染みる
少しの木枯らしでさえ
傷口に吹き付ける
そんな冬だったのだけれど
閉ざされた私の心の冬を
固く結ばれた心の境界線を
そっと優しく開いて、私の心を
暖めてくれた人がいた
静かにずっと暖めて続けてくれて
その温もりに麻痺した心が少しだけ元に戻って、
溶けた雪が溢れ出しそうだった
まだ春の訪れは遠いけれど
きっとまだ冷たい冬風が止む事も無いけれど
それでも、長い冬を迎えてから
初めて感じた暖かさがあるのだから
少しづつ、少しづつ春の芽生えに向かって
駆け出していきたい
また冬の寒さが増すかもしれない
近づいた春も遠ざかるかもしれない
それでも、この暖かさがある限り
大丈夫だから
もう冬の寒さが身に染みて、
重い風邪を引くことはきっとない
後5年後
遠い未来だけど近い未来
何があるかは分からない
きっと、辛い事も、楽しい事も、
色んな事を沢山経験して、迎えるのだろう
今辛い事も必ず糧になると
信じて、頑張っていこうかな
まぁ、現実はそう甘く
ないのだけれど
そう思う余裕がないくらい
泣きたくて、どうしようもなくて
それでもまだ描けない二十歳の
自分の為に少しだけなら、
頑張れるかな
満月から段々欠けて
月は三日月になる
三日月になった月はいずれ
夜空に消えてゆく
以前美しく輝こうとしていた月
もう欠けていくばかりになった月
私たちが満月の月の光を
無責任に眺めている時
もう月は欠け始めている
私たちが三日月を少し
欠けてきたと認識した時
もう月は消えかけている
私というただ消える
ばかりになった人間
月という欠けていく
ばかりになった宇宙の星
何処か似ているけれど
そんな三日月が好きだけれど
でも、絶対に交わらない
だって三日月はいつか必ず
満月に返り咲くのに
私は貴女がいないと満月には
なれないのだもの
儚く消えた後、また必ず光り輝く月と
貴女の傍という幻想の中でしか
満月になれない私
だから私は三日月を
大好きだけど大嫌い