君と出逢って、
君に出逢わなければよかった、そんなこと口に出したくもないけど。君の書いた花丸は僕の体を飲み込んでしまった。
楽しさを咀嚼できるようになった。嬉しさを味わうことができた。君のくれた肯定は僕を生かしてくれた。幸せを理解できた。
全部君がくれたもの。君と出逢えたから、
込み上げた虚しさに吐き気がした。独りが怖くなった。愛を知ってしまった。否定が僕を襲うようになった。終わりのない執着の味を覚えてしまった。
全部君のせい、君と出逢ってしまったから。
今日も消えかけの花丸を抱きしめる。君と僕を繋ぐそれに覚える執着を見ないふりをして。君に会えたらまた伝えるよ。何度だって。
優しさだけで、きっと
誰からも嫌われない優しさを花束に。
聞こえない本の音は思い出すこともなく、一方通行の雨の色を目にすることもなくなりました。
服に袖を通すたび、優しさで彩られていくような。なくなった心のすみかに優しさを押し込んで、身体を作り替えていきました。
そんな毒とも薬ともつかない優しさに蝕まれてしまったのですね。本の音を忘れてしまったから、雨に濡れなかったから、心をなくしてしまったから。
今日も花束を抱えましょう。
意味はなくとも、為がなくとも
カラフル
随分前から輪郭が掴めなくなった。
空の青さは本物で、足元で揺れる花は生きていたのに。水溜まりに映る不確かなものだけが灰に包まれているような感覚。
空の青を奪って灰の体に塗りたくる。どうにもちぐはぐで、得られたのは焦燥感に塗れた心でしかなかった。
花々の鮮やかさを盗んでしまった。なんでもないようなふりをして、心に仕込めば途端に濁って灰に溶けた。
手のひらを咲かせたとて奪った青も盗んだ鮮やかさも認められなくて。それなのに、隣の声も壊れた電柱でさえも笑うように色彩を持っていた。
楽園
そこに辿り着けたら独りではなくなりますか。
ただ独りだけの幸せがあるのでしょうか。
望んだものが手に入っても、そこで造られたものでしかないのでしょうか。
貴方からの愛が欲しかった。
特別なことじゃない、貴方が背の低い私を抱きしめたように背が伸びた私も抱きしめて欲しかった。それだけで良かったんです、それが欲しかった。
楽園に届くなら貴方に抱きしめてもらえるでしょうか。そこにいるのは貴方を模造した貴方でしかないとしたら、心を押し殺してしまいそうで。
我儘だと笑ってください
楽園に居て尚求め続ける私に呆れてください
それでも私の知る貴方が私に愛をください。