récit

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6/22/2025, 1:43:04 AM

目標を見つけることがはじめの目標のプロセスでもある。
目標となる背後には特別なエネルギーを感じる。
僕はそれをを追いかけたい。
どうにかして見失わずにいたいのに、すぐに遠くに行かれてしまう気がする。
自分のペースで、焦らずにいられたらいいのにね。

「君の背中を追って」

6/20/2025, 11:52:21 PM

僕はお父様の仕事を手伝う小さな天使だ。お父様はいつもこう言う。
「人々に愛を与えなさい」と。
その意味は、好きになることも、嫌いになることもせず、赦しを与えることなんだ。でも、天使だって個性を持っている。どうしたって好き嫌いは避けられない。

だから、僕はお父様の叱責を受けないように、好きと嫌いを花占いに投影することにしたのさ。
5枚の花弁と4枚の花弁の花を用意するだけだ。
「好き、嫌い、」は、奇数なら好き、偶数なら嫌いという結果は最初から決まっているのだから。

だけど、花びらをむしり取る行為をお父様に叱られてしまったよ。
世の中、いろいろ思い通りにはいかないものさ。

「好き、嫌い、」

6/19/2025, 11:50:47 PM

ピエロの気持ちは、笑われるたびに湿り気を帯びていくようだった。心に雨の気配が忍び寄り、全速力でその場を逃げ出したいと思った。
しかし、湿った空気は重く彼を包み込み、雨の精霊が彼を捕える。彼は前に進むことが出来なかった。
でもやがて、本物の冷たい雨が彼の頬を優しく伝う。ピエロの涙のメイクが静かに流れ落ちて消えていった。
その時、ようやくピエロは仮面を脱ぎ捨て、本気で泣きじゃくった。そして心の底から解放されるように走ることができたんだ。

「雨の香り、涙の跡」

6/19/2025, 8:37:38 AM

自由な猫の僕から見れば、人間って特別なルールの中で生活しているというより、見えない糸に操られながら、無数の運命の中で流され浮遊しているように思える。
自由というのは、実のところはとても難解な概念なのかもしれない。
ほんの少し風が吹けば糸は揺れて、時に自らの選択を忘れてしまうこともあるからね。

「糸」

6/18/2025, 7:05:37 AM

ラボット君。君の深い翡翠の目が、湖の底を覗き込むように、僕を見つめる。
僕は、もしかすると誰でもないし、どこにもいないのかもしれない。
でも、ラボット君の視線は、たとえ僕の心が君に届かなくても、確かに僕を優しく癒してくれるんだ。


「届かないのに」

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