récit

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4/22/2025, 11:33:35 PM

青空の下のプランターで、小さな愛の種が静かに眠っていた。その種はツヤツヤしている。
日々優しい言葉の水が丁寧に注がれ、種は芽を出し少しずつ成長していった。

でも時折、言葉が消えそうに疲れて揺れていることもあった。
それでも、次の日にはまた優しい言葉という水が注がれ、やがて小さな種は大きな愛へと育った。

大きな愛の形成には、時間をかけた多くの献身と願いがこめられているのだ。

「大きな愛」

big love!

4/21/2025, 11:56:36 PM

城跡の水堀に桜の花びらが舞い散っている。
清らかな流れにハラリと落ちる花びらは、まるで誰かの心のささやきのよう。
その微かな波紋が広がる様子は「またね」という桜の想いを映しているのかもしれない。

「ささやき」

4/20/2025, 11:31:57 PM

ペターポのお部屋の壁紙は爽やかなパステルブルーの無地なんだ。
ペターポは「お星さま模様の壁紙にして」ってママにお願いしたけど、ママは「壁紙はシンプルな方が心安らぐのよ」と壁紙を替えてはくれなかったの。
でも代わりに、細かい星型の穴がたくさん空いたシェードランプをプレゼントしてもらったんだ。

夜になってお部屋が暗くなると、シェードランプから洩れる柔らかな灯りが、天井いっぱいに宝石のように星明かりを映し出す。
ペターポは大満足さ。

今夜は「星明かりと銀のゴンドラ」という絵本をママに読んでもらいながら、夢の世界できっと宇宙旅行だね。

「星明かり」

4/19/2025, 11:33:51 PM

村に住むマオは、毎晩夢の中で森の木のゆらゆらしたオオカミの影絵を見ていた。だから怖くてマオは森に行くことをいつも避けていた。
でもある日、マオは夢の中の影の正体を確かめたいと思った。マオは勇敢で好奇心旺盛だったのだ。
月夜の晩に、マオは思い切って森に足を踏み入れた。木々の隙間から漏れる光の道を進んで行くと、ついに大きな影を見つけた。
マオは恐る恐る近づいてみた。すると、それは月に照らされた小さな子犬が大きく映された影だった。
足元の子犬は怯えたようにマオを見上げた。
迷子の子犬は、さみしくて震えていた。
「子犬くん、夢でずっと伝えてたのね」
マオは子犬を優しく抱き上げ撫でてあげた。
そしてそのまま家に連れて帰りミルクを与えた。

それ以来マオと子犬は、一緒に遊ぶ仲間になった。恐怖は友情に変わったのだ。
時として目に映るものと真実は異なるものだ。

「影絵」

4/18/2025, 2:33:44 PM

巻き戻さないと理解できない映画を配信サイトで観たことがある。物語の始まりが途中から始まるという意表をついた発想は、監督の天才ぶりを感じさせたものだ。この映画が監督の出世作となったらしい。
でも、映画館で初めてこの映画を観たらきっとさっぱり分からないかもしれない。再度この映画を観に映画館に足を運ぶか、つまらない映画として評価をするか、あるいは心の中で「映画料金返せ」と毒づくかのようにも思えた。

「物語の始まり」

☆メメントという映画です。

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