récit

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4/7/2025, 11:48:58 PM

そのむかし、フラワーという言葉は、植物全体を指していたんだ。

時が経って人々は南に北に旅立つと、南に住み、美と愛を求める人々は、植物の花の部分をフラワーflowerと呼ぶようになった。一方、北に移動した人々は、植物の役割に食べものと幸福を求めて穀物をフラワーflourと呼んだ。

言葉の変遷は、それぞれの心の風景を映し出していくのさ。

「フラワー」

4/6/2025, 2:42:32 PM

「ねえ、ママ、あのグルグルのお日さまみたいな木は、なあに?」
ペターポは、目の前の不思議な木を見て、ママに尋ねた。

「ペターポ、あれはね、あなたの将来の地図よ。あの木の枝を見てごらんなさい。たくさんの枝が伸びているでしょう。ペターポが大きくなって、色々な経験を積んで、夢を抱くようになると、自然と新しいイメージが湧いてくるの。そのとき、枝はどんどん分かれて、無数の道ができていくのよ。あの木は、あなたの人生がどれだけ多様で、豊かなものになっていくかを示しているの」

それを聞いたペターポは、なんだかよく分からなかったけど、その枝を広げて、自分の新しい地図を育てていこうと思った。

「新しい地図」

4/6/2025, 12:25:24 AM

西鳩シェフは、高級レストラン「fête d’ étoileフェデトワール」の料理長として目を見張るような豪華な料理を作り続けている。その料理は芸術作品のように美しく、魔法のように熟成された高級ワインと共に、客単価8万円を超えることもしばしば。

そんな華やかな西鳩シェフも、自宅のキッチンでは高級食材を使うことない。
近くのスーパーから手頃な価格のビーフを選ぶ。
そして、どの食材にも心を込め、焼き方やソースにシンプルながらも独自の工夫を凝らし、素敵な一皿を作り上げる。
心温まるご馳走だ。キッチンには彼の料理愛が広がっている。
シェフの家族や友人を囲む自宅食卓で、彼の家庭料理からみんなの嬉しそうな笑顔が生まれる。

西鳩シェフは、料理を喜ぶ人たちの姿を眺めることが大好きなのだ。

「好きだよ」

4/5/2025, 1:09:25 AM

色見本の「桜色」は本当に淡い。イメージするパステルピンクは「薄桜」って名前。

アンミカさんが「白って200色あんねん」と言うように、色見本のカラーコードでは白が200色あるらしい。

今年の春夏のトレンドカラーのひとつミルキーホワイトは、真っ白より少し黄色味があり、オフホワイトよりは白い。

そんな微妙な色の違いは気にせず、デザインが好みな白シャツを買った。真っ白より柔らかい印象。

ミルキーホワイトなんて表現はあまり使わないけど、要は牛乳の色ってことね。

「桜」

1/23/2025, 12:40:45 PM

窓辺の賢い猫は、神秘的な緑色の瞳を眠るようにゆっくりと閉じる。
すると心の目が開くんだってさ。

たとえば、豪華な煌びやかに輝く世界は、実は薄汚いドロリとした落とし穴のような場所として映る。

キラキラした飾り付けの背後には、誰かの手垢や、ぺらぺらの本音が見え隠れしている。

一方、素朴で目立たない景色からは、どっしりとした誠実さに満ちた美しさが見えてくる。

見落とされがちな道端の草花に、厳格な哲学のような深いメッセージがあるかのように感じるんだ。

緑色の目の猫は、みんなが気付かない秘密を知っている賢者なのさ。


「瞳をとじて」

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