récit

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2/14/2025, 2:10:39 PM

「お疲れ、今日もありがとう、ワンワン」
と帰宅した僕の足元に君は飛びついた。

その動作がたまらなく可愛くて、外の喧騒から解放され肩の力がスッと抜ける。

僕も「ありがとう」
と君のやわらかいモフモフな毛並みの背中を撫でるのだ。

「ありがとう」

2/13/2025, 12:05:07 PM

12時の鐘が響く。
魔法が解け、華やかなドレスは消えても、君はただ、君自身へと戻るだけだ。

不安定なガラスの靴で背伸びなんてちょっとダサい。

飾らないそのままの君がいいのさ。

眠りに落ちた君に、僕はそっとこの思い伝えたい。

「そっと伝えたい」

2/12/2025, 11:33:56 AM

かつて遥かなるユーラシャー国にロセイタンという名の男がいた。

彼は未来を見ることができるという特異な能力を持っていた。その力は五千年に一度現れるか否かの奇跡であった。

しかし残念なことに、彼は絶望的に記憶力が悪かった。
そのため、彼が見た未来のビジョンをほとんど語ることが叶わなかった。
それでも、彼の能力はスピ好きな人々の間で語り草となった。

しかしながら、一般には眉唾話として語られた。

「未来の記憶」

2/11/2025, 1:04:45 PM

女の子がチョコ味のポンデリングを手に取り、彼氏にこう言った。

「これは私のココロ。ふわふわでもっちもちの心なの」

思わず彼氏は訊ねた。
「おいおい、心の真ん中は空っぽなのか?」

女の子はにっこりしてあざとく返した。
「それはね、あなたが私の心を射抜いた証なの」

その言葉に彼氏はとても感激して、奮発してハート型のダイヤのペンダントを彼女にプレゼントした。

「ココロ」

2/11/2025, 12:17:39 AM

君が僕のとなりで2月の夜空を見上げていると、濃紺の空に一筋の光がきらめいた。

「あ、流れ星」
と君は呟く。

瞬く光は君の意識と静かに溶け合い、君の瞳にも星が宿る。
宇宙のふたつの波動が整ったみたいだ。

「願い事、何かした?」
君は僕に聞く。

「まあね」
と、僕はたいして気のないふりをして返事をする。

本当は、僕は君の綺麗な瞳がいつまでも輝き続けることを願った。

古い光はもう見ることが出来ないけど、君の瞳には思いを届ける力があると思ったんだ。

「星に願って」

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