私の名前を呼ぶ者は、誰かここにいるかー?
私は古の偉大なるファラオだ。
誰かが私の名前を呼んでくれれば、蘇って再びこの地を統治できるだろう。
しかし、現代の個人情報保護コンプライアンスが行き過ぎたせいで、世界遺産保護協会が私が眠る箱から名札を外してしまった。
その結果、誰も私の名前を呼んでくれる者がいなくなってしまった。
「私の名前」
遠い日の記憶は紗をかけられて美しく浮かぶ。
思い出の石は静かな河の中で流され、砂となり、砂は思い描きたい城を形作る。
それは幻影のようでもあるが、確実に過ぎ去った物語であり、時の流れに刻まれる詩なのだ。
「遠い日の記憶」
今日は、理沙ちゃんとイザベラおばあさんとイケメン猫の僕との3人で"鎌倉海の散歩道マリーナ"へおでかけしたよ。
そこのオーシャンビューカフェで、蒼い海と空を眺めながらマリンランチを楽しんだの。とってもおいしかった。
理沙ちゃんは将来の進路について悩んでいるようだったけど、僕たちと一緒に空を見ていたら、本当にやりたいことが見えてきたと言っていたんだ。
空を見つめると、自分自身と向き合える気がするよね。
みんなで美味しそうな雲を見てたら食後のデザートにバニラアイスを注文しちゃった。
「空を見上げて心に浮かんだこと」
馬車馬のようにがむしゃらに働くという言い回しがある。
が、実のところ馬車馬というのは効率よく働いている。
馬車馬は休憩を挟みながら1日トータル4時間以上は走らないものである。
ドリッキィが働くノワルエンタープライズNEPの就労協約には、「馬車馬のように働け」と書かれている。
そこで、ドリッキィは新しい働き方を思いついた。
ドリッキィは朝の9時に出社して、まずは軽快な足取りでNEPの廊下を駆け抜けると、同僚たちに元気を振りまきながら仕事に取りかかる。
昼食は美味しいお弁当をゆっくり楽しんで、午後からは1時間全力で仕事に打ち込む。
ちょっとした休憩も大切にしている。
そして、午後の2時になると、
「今日はもう馬車馬のように4時間素晴らしい仕事をした。さあ、本日の仕事は終わりにしよう」
と満足げにさっさと帰宅するドリッキィだった。
「終わりにしよう」
レイダック星人は、顔が8つ、腕が6本ある。
地球では、多才な人を称えて「八面六臂」と言うが、これはレイダック星人の優秀さを表す言葉でもある。
最近、地球で流行っている「手を取り合って、顔を合わせて笑顔で踊ろう」という平和ムーブメントが、レイダックの宇宙ワールドニュースで取り上げられた。
その影響で、レイダックの若者たちも、見つめ合いながら手を取り合ってダンスをするようになった。
でも、8つのどの顔を見ればいいのか困惑し、6本の腕が絡まってしまうという混乱が生じている。
「手を取り合って」