#あなたに届けたい
君の弱音を聞いたことがない。
いつもカラッとしていて、何かあっても気にしてないって笑ってる。
些細なことで引きずってしまう私から見る君は、私と反対な性格だなあって思ってて、私と居て楽しいのかなっていつも思ってしまいます。
君が仲良くしてるから仲良くする。そんな受け身な私でいるけれど、私も君のことが好きだから、居心地がいいから、一緒にいるのだろうと思う。多分。自分自身のことなのに、ハッキリ言いきれなくてごめんね。自信がなくて、周りにどう思われてるか、君にどう思われてるかって、いつも気にしてしまうんです。私は好きでも、君は私のことが本当は好きじゃないかもしれないから。お情けで付き合ってくれてるのかな……なんて、素敵な君に対して失礼かもしれないけど。結局、いつも自分のことばかり考えてごめんね。
君が倒れたと聞いて、心配になりました。
仕事の話が増えて、それは愚痴じゃなくて、本当は弱音なのかもしれないと、勝手に思っています。
何か言ってあげたい、助けになりたいと思っているのに
話を聞くことしか出来なくてごめんね。
どこまで踏み込んでいいか分からなくて、何も出来なくて。
本当は、君を助けられない力のない自分を見るのが嫌だけだと、こんな時にも自分の保身を考えてしまう私です。
それでも、素敵な君が、嫌な気持ちになっていたり、雑に扱われていると、とても、とても悲しい気持ちになるし、そういう出来事や人に怒りが湧く……くらい、私は君に幸せでいて欲しいと願っています。
君が好きな紅茶を飲む時間が癒しになっていますように。
何も出来ませんが、私は、君が幸せであったらいいなと願っています。
私に優しくしてくれる君が、幸せでありますように。
いいことがありますように。
明日も笑っていられますように。
健康でありますように。
君が今、辛い状況かも、と考えていることも杞憂かもしれないけど。
もし、困ったことがあったら、言ってください。
こんな私ですが、出来ることなら、助けになりたいです。
幸せを心から願っています。
君にとっては重い想いかもしれないけど、あなたに届けたい。
#I LOVE…
「愛してる」と言われると、泣きたくなる。
貴方が思っているより、私はすごい人ではないの。
私はこんなにダメな人で、上手くできないし、すぐに落ち込むし、泣き言ばかり言ってる。今だって、貴方の言葉を素直に受け取れないくらいひねくれてて、こじらせてる。面倒な人なの。
「愛してる」なんて、優しい気持ちを向けられても、
私は貴方と同じくらいの気持ちを返せない。
貴方の望んでいるものを、私は、きっと差し出すことはできない。
愛されたいのに、愛を前に怖気付いてしまうのはなぜなんだろう。
愛を求めれば求めるほど、苦しくなるのはなぜ?
愛の温かさの前に、
「愛してる」を素直に受け取ることができなくて、
拒絶したり、逃げたりしてしまうけれど、
愛されたい、と願う心の底では、
同じくらい、「愛されることを許されたい」と願っているのかもしれない。
#20歳
世の中で勝手に決められた区切り。子どもなんて守られる対象ではなくて、20歳という数字が成人を表していて、私たちはそれだけで周りから大人として見られる。ただの数字で。
何の条件もなく、生まれてから20年過ぎれば、私たちは大人のような人に成れる。
急に大人なんて。心が追いつかなくて、その日を迎えることが怖かった。大人は何でも出来る存在だと、幼い頃の私はずっとそう思っていたから、私の見ていた「大人」の像に満たない私は何者になるのだろう、と。子どもでもない。でも、大人とも胸を張って言えない。不安を抱えて、なんとなく大人みたいな偶像の私を社会に写しています。
誰かが決めた成人から、何年か経ちましたが、私はまだ「大人」として生きていくのが怖いです。
でも、怯えながら成人を迎えたあの頃の私よりは、確実に成長を感じています。誰がなんといおうと、小さな世界で怖い怖いと嘆いていた私は、荒れ狂う社会の海へ、勇気を出して飛び出しました。
数字になんて、成人なんてただの表すための言葉になんて、こうあるべきだという誰かの決めた姿なんて、どうだっていいの。
この世界で、生まれて、20年間生きて、生き抜いた私たちを。
ひとりでは生きて来れなかった。誰かの手を借りてきたとしても、頑張って生きてきた私たちを。
ありがとう。かんばったね。
そして、心から、おめでとう。
これから一歩踏み出す君たちへ、苦しみながらも生きようと向き合う私たちへ、幸あれ。
#色とりどり
3つ並んだホールを会場とするそこへ足を踏み入れると、薄暗がりの中にたくさんの人間がいた。
綺麗に編み込んだ髪にリボンを飾る子、誰かをイメージするような色でコーディネートした子、両手いっぱいにカバンをぶら下げて歩く子のそれには、同じ顔の少年の缶バッチで一面が埋めつくされている。
会場を占める大勢の女の子たち――彼女たちは、まるで戦いに行くかようだった。見た目はとても可愛く、たくさんの荷物を引き下げて歩く姿は凛々しく、彼女たちが「好き」を全面に出して堂々と立つ姿は、なによりも美しかった。
これから何が起こるのか、ソワソワとしながら、私も彼女たちに紛れて、じっとその時を待った。
BGMが止み、さらに大きな音響でイントロの曲が流れる。
暗転から、私たちが待ち望んでいた彼らがステージに現れた。
「きゃー!」
割れんばかりの黄色い歓声が、大きな箱に響く。
瞬間、私たちは手に持ったペンライトのスイッチを押す。
多色が輝く色とりどりの光の海が、きっと彼らの目に映っているのだろう。
その中で私は懸命に腕を振る。
私はその一部。それでもいい。
「応援してくれて、ありがとう!」
彼らが光輝く力になるなら、私はいつまでだって振りつづける。
小さなエールを私から、彼らへ。
#冬晴れ
雲ひとつない晴れ渡った空。
春なのかなってくらいに、気持ちのいい冬晴れだ。遠くに見える山には、まだ薄らと雪が残っている。空の水色のキャンパスに、山の輪郭だけがハッキリとしていて、写真を貼り付けたような景色だなと思った。いや、写真に近い、リアルな絵か。どちらにせよ、とにかくその景色が壮観だったのだ。
雪の白化粧か、より山を山たらしめていた、みたいな。