大人になれってお前は言うけど
大人になるってどういうことさ
先生の言いなりで
なんでもハイハイってやって
要領よく小綺麗にこなせば
それが大人なのかよ
お前はそれで 満足なのかよ
いいかお前
青臭いのを承知で言うけど
夢見る心がすべてなんだぜ
俺はこれからも
そうやって生きていくんだぜ
【夢見る心】
「もう無理なの」
いまも頭の奥でこだまする 君の言葉
もう一度 やり直せるなら
もう一度 抱きしめられたなら
僕は一人ぼっちの部屋に挨拶する
既読がつかないLINE
もう届かない 君への思い
傷付けたのは僕のほう
あの日に戻れたら あのとき
君の気持ちをわかってあげられてたら
街を彷徨う僕は
まるでぺしゃんこの影のよう
【届かぬ思い】
星空の下で 僕は芝生に寝転ぶ
誰もいない 公園の広場
警備員はこない
見上げる先には シリウス
白く輝く 銀狼の星
いつかあの星に 僕は帰るんた
そこに君はいないけど
これは僕の問題
君は君の星へ帰ればいいい
君が君のままでいられる星へ
僕は帰りたい
すべてを受け入れてもらえる 魂の星へ
【星空の下で】
「もう一度、やり直せるかな」
君が言う
「0からの関係性に戻ればいい」
僕は君を抱きしめる
「マイナスからじゃなく?」
「うん 0からだ」
僕は君の髪に頬をつけた
君のシャンプーの匂いに
僕は胸を締め付けられる
【0からの】
「同情しないで、ほっといてよ!」
「いや、別に同情してる訳じゃないよ。僕は本気で、君と一緒にいたいんだ」
「……」
彼女は疑い深そうにこちらを見ている。一体いつから、こんなにこじれた性格になってしまったのだろう。僕は仕方なく、彼女に説明した。
「君に出会って、僕は救われたんだ。だから、一緒にいたいって思ってる。ただそれだけだよ」
「……本当に?」
「ああ」
君がこちらを向いて立ち上がり、頬に流れる涙を指で拭った。
綺麗な涙だ。僕は急に、君を抱きしめたくなった。君の魂を癒せたら。一緒に歩いていけたなら。
【同情】