「同情しないで、ほっといてよ!」
「いや、別に同情してる訳じゃないよ。僕は本気で、君と一緒にいたいんだ」
「……」
彼女は疑い深そうにこちらを見ている。一体いつから、こんなにこじれた性格になってしまったのだろう。僕は仕方なく、彼女に説明した。
「君に出会って、僕は救われたんだ。だから、一緒にいたいって思ってる。ただそれだけだよ」
「……本当に?」
「ああ」
君がこちらを向いて立ち上がり、頬に流れる涙を指で拭った。
綺麗な涙だ。僕は急に、君を抱きしめたくなった。君の魂を癒せたら。一緒に歩いていけたなら。
【同情】
2/20/2024, 1:22:54 PM