10/16/2023, 10:55:27 PM
森の中に入ると、樹々の間から、太陽のやわらかな光が差し込んでくる。足元はぬかるんでいるが、心地よい温もりを肌に感じながら、私は歩いた。
湖畔は、一周すると20kmにもなるそうだ。ひとまず目的の岬を目指して、歩みを早めた。お昼までには、対岸に渡るつもりだ。
【やわらかな光】
10/11/2023, 10:01:02 AM
「あ、ごめん…。」
俺は慌てて、ドアを閉めた。涙の理由は聞かなかった。
彼女が乗り越えてきた、さまざまな苦難を、いつか教えてもらえたら、と思った。
【涙の理由】
10/9/2023, 10:18:02 AM
「へえ、クラウドファンディングかあ!それってちょっと、ココロオドル出来事だよね!」
紗栄子は、冗談めかして言った。
「だろう?」
「で、返礼品は、どうするの?」
「返礼品?」
「寄付のお礼よ。クラウドファンディングをするなら、返礼品も何種類か、用意しなきゃ。」
思わぬ姉のアドバイスに、真斗は顎に手をやって、唸り始めた。具体的なことは、まだ何も考えていなかったからだ。
【ココロオドル】
9/14/2023, 9:11:13 AM
夜明け前の、冷たい空気が辺りを覆っている。私は、朝日を見ようと一歩階段のほうに踏み出した。
隣では、裕貴が眩しそうに朝日を見つめている。私たちは、確かにこの場所に生きていたのだ。
【夜明け前】
9/8/2023, 7:40:03 AM
「あった!あったよ!」
そう叫ぶと、真斗はまるで、踊るようにこちらに走ってきた。
やはり青い花のそばに、それはあった。ペトログリフを見つけたのだ。
【踊るように】