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2/12/2024, 11:41:50 AM

言葉というものが

何かを他者に伝えたいという願望から

生まれたものだとしたら

人が言葉を通して伝えたいと思う気持ちは

自然であり、必然である。

2/11/2024, 2:54:14 PM

空から幾何学模様が落ちてきた。

突然の飛来物がやって来るのはこの場所では、日所茶飯事であり、今更慌てることではない。しかし、今回の飛来物はなかなかに珍しい。

「文字の出来損ないだ」と思考の番人が思う間もなく、幾何学模様は海へと姿を消した。

文字や言葉を取り入れた海は荒れるものだが、幾何学模様の処理に困っているのか、または判定外なのか荒れる様子はない。

「本体が不調のようだな」

「私達思考系は体調に左右されるからね。言葉を紡ごうとしても解けてしまうのでしょう」

ポツリと呟いた言葉だったが、隣に立つ初代は聞き逃さなかったらしい。
相変わらず耳聡い。

「また思考の海が汚れる。って怒らないの?」

初代が意地悪そうな目をしてコチラを見てくる。

「別に」

素っ気なく返すと初代がにんまりと笑っているのが見えた。気にせず言葉を続ける。

「本体が、文章に向き合う事に意味があったように、俺がこの場所でこうしていることにも意味があった。それを知った今ではもう何とも思わんよ」

淡々と紡いだ俺の言葉に初代は

「成長したわね」

と微笑んだ。

「…思考の海が汚れてもまた本体が綺麗にするしな」

俺の言葉に初代は、一瞬きょとんとし、堰を切ったように笑いだした。

この場所でこうして他愛のない会話をする相手も戻ってきた。
どんなに無駄に見えることも、そこに意味を持たせれば無駄ではない。

初代の明るい笑い声を聞きながら、俺は穏やかな心象風景に身を委ねた。

2/10/2024, 12:11:57 PM

誰もがみんな
自分自身を知らないままこの世界にやって来る。

何が出来て、何が苦手で
何が好きで
どんなことに心が震えるのか。

それらは全て
この世界で体験して初めて知っていく。

そして、その過程は
みんなバラバラであり、
体験できることも
得られる価値観もしかりだ。

誰もがみんな自分のことを探す旅の最中であり
誰もがみんな長所短所を持ち
誰もがみんな万能ではない。

そう思うと、この世界の懐は案外広いのかもしれない。

2/9/2024, 11:53:26 AM

花束、というほどご立派なものではないが
切り花を数本買い求めて部屋に飾ることがある。

花がやってくるだけで見慣れ飽きた部屋も
不思議と華やぐ。

華とはよく言ったものだとしみじみ思う。

2/8/2024, 1:21:05 PM

笑顔には、幸せホルモンの分泌やNK細胞の活性化など人にとって良い効果があるのは有名な話だ。

幸せも勿論必要だが、現在風邪に傾きかけてる我が身に最も必要なのは、後者の効能だろう。

脳の面白いところは、作り笑いと本物の笑いを区別していないというところだ。
形だけの笑顔で勝手に上記の物質が出るなんて、なんて良い作りだろうか。

人に見せるわけではないので、歯を見せてぐっと頬を持ち上げる。目は笑う必要はないので、見事に形だけの笑顔が出来上がる。

スマイル、スマイル。

これでNK細胞が活性化して、活躍してくれるというのなら多少間抜けであろうと、サイコパスみがあろうと構わない。

スマイル、スマイル。

折角の三連休、布団の中で療養する未来は全力回避しなければ…

おっと、口がへの字をかくところだった。

スマイル、スマイル。

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