9/14/2024, 2:44:52 PM
「命が燃え尽きるまで」
幼子が指さした流星
色の無い あの人に添えた白百合
昼下がりのプロムナード
青草の傷口から 香り立つ匂い
山の向こう 染められた紫に
触れあった裸が 消えていくようだった
ワンルーム、ミクロコスモス
産まれなかった星々
背負おうにも 小さすぎる掌に
呑んだ涙が 宇宙に落ちて
渇いた隕石の上で踊った 母に還る一瞬
この小指よりも小さく
この星よりも大きな
わたくしと同じ
9/13/2024, 3:25:21 PM
蠢く音 とても微かだった
青ざめた窓
ぺたり、と頬が吸い付くよりも早く
太陽の匂いを 嗅ぎ付け
まだ黒に 塗り潰されたままの木々が
弛緩した四肢 その血の巡りより早く
目覚める 世界の輪郭を
急いて 急いていた
ずれ合う 摩擦熱が
浅い呼吸 置き去りにされたまま
彼方
地平へ還ることもできぬ 人の哀れさを
慈しむように開き咲く
嘲りにも似た、美しい無為の微笑
*
(ピンク色に色付く、あの雲たちだけ 集めて
口いっぱいに頬張ってみたい
私の世界が めいいっぱい 甘くなるように)
9/12/2024, 3:34:31 PM
不出来な案山子ゆえ
覚束無い足取りに
コンクリートでひび割れた皮膚
ずっしりと重たい
チョコレートケーキを頬張って
胸まで塞がった気怠さ
慰めた白いカーテン
ひらりひらり
遠い
あなたの生きている質量