時を止めて
まずい、終わらない
家ではぐーたらしてる私
学校じゃそこそこ優等生で通ってる
勉強ができるわけじゃない
ただ静かで、迷惑や手間のかからない生徒ってとこ
だから提出物くらい終わらせないと
急に物事が出来なくなるだけで周りに
異常に心配されてしまう
大丈夫の雨でずぶ濡れにされてしまう
だから今思うことは
時を止めて
ただ、そう思いながら
時が止まらないことを分かっていながら
課題に黙々と手を動かすのだった
キンモクセイ
洒落た事に興味のない私でも知っている
街を漂う"金木犀"は品がある
曲の題名や歌詞、詩や本に使われる"金木犀"
甘くない、だが苦くない
心地の良い香りは肌を凍らす風が運ぶ
毎度この"金木犀"をみると花言葉を調べる
「初恋」「真実」「気高い」「幽世」
"金木犀"らしいと詳しくもない私でも思うのだ
そんな記念に"金木犀"のハンドクリームを買った
行かないでと、願ったのに
願いは叶わなかったんだ
願っただけだったからかな
動けば変わったのかな
行かないでと、言葉を発せば
行かないでと、願うだけではだめだった
〇 秘密の標本 〇
彼は標本が好きだった
植物、虫、生物が好きなわけではなかった
ただただ、標本が好きだった
ある日、彼は「標本見る?」と聞いてきた
彼の部屋には標本が沢山あった
ホルマリン漬けだって沢山あった
その奥に大きな物があった
それに彼の手がかかった
人間の標本だった
美しいと思ったと同時におかしいと気づいた
笑顔な彼は「綺麗な子だったから」と話した
女の標本が綺麗にみえた
彼の笑顔は綺麗だった
「君は否定しないよね?」悲しそうに話した
しないよ絶対にしないそう誓った
けれど、一つ許せなかった
『 私を標本にして 』
咄嗟に声が出た
彼の口角はさらに上がった
私は一つの標本になった
彼の彼だけの標本になった
彼は標本が好きだった
植物、虫、生物が好きなわけではなかった
ただただ、標本を作るのが好きだった
私は彼に好いてもらいたかった
彼の秘密の標本になったとしても
凍える朝
今朝、布団から出られなかった
震えて、ふるえて手を出すのすら
頭が体が拒否をした、ほぼ反射だった
確か昨日は布団を剥いで寝ていたのに
もう、今日はこんなに寒い
行き場のない怒りを感じながら
布団の中から凍える朝を睨んだ