「あの日の景色」
今はもう見れないね。
だって、壊されてしまったから。
君と見た夕焼け、朝日、欠けた月
時間はひどいね
あの日見た景色全部消していっちゃう。
☆「願い事」☆
ささのはさーらさら♪
7月7日今日はそう、七夕だ。
通学路にある商店街、一度は歌ったことのある歌が聞こえてくる。中央の広場には
「願いをかけてください」
と書かれた看板があった。
その隣には大きな竹、たくさんの短冊がかかっている。
「ヌーパーヒーローになりたい!」
字を習ったばかりなのだろうか、「ス」が「ヌ」になっている。小1、いや保育園児なんだろう。
「あいつと仲直りしたい」
友達と喧嘩でもしたんだろうか、仲直りしたい気持ちは大切だ。
「あいつのケガが治りますように!」
ケガ?人のケガが治るように願うなんて、よくわからないなぁ
「あいつとまた会いたい」
この子は友達と別れてしまったんだろうか、転校それとも…
そう思って裏の名前を見たとき気づいた。
全部名前が同じ拓哉って人が書いたらしい。
なにこれ、気持ち悪い…
「あれ、x1/5◯s5■8?」
え、今なんて言ったんだ?
後ろには顔がわからない、見えない人がいた
「そんなわけないよな…あいつはもう」
声で気づいたこいつは拓哉だ…
「今年はなんて書こうか…」
そう言って彼は消えた。
拓哉は幼馴染だった。
そっか…俺亡くなってたんだ…
俺は短冊を一つ取り願いを書いた。
「拓哉が俺の分まで長生きできますように」
空を見ると一番星が輝いていた。
「夏の匂い」
湿った登下校の道
早起きの風
海香る浜辺
目を開いた夜中の空気
教室に広がる汗
もっと、他にもあるけれど
私が香る夏の匂い
「カーテン」
教室で、課題で居残りをしていた。
熱くて窓を開けていた。風が気持ちいい日だ。
俺は課題未提出の常習犯で、居残りは週に3はある。
今日は夏休みの漢字ノートの居残りだ。
たかが、漢字ノートだけで居残りって
そう思っていた時にドアの開く音がして
あいつが入ってきた。カーテンが風船のように膨らむ
あいつは、このクラスのトップ
なんでも教えてあげますよーって顔したガリ勉だ。
きっと今日も
居残りの俺を横で予習でもして見下してるんだろう。
そう思いあいつの方を向いた。
そこには、あいつの姿はなく
揺れたカーテンと1つの封筒があった。
「青く深く」
僕は、生きていた。
起きて、食べて、歩いて、考えて、また、眠る
毎日がそうだった。
そんな毎日がつまらなかった。
何をするのもつまらなかった。
だけど
雪の降る日、彼女に出会った。
同じ学校の隣のクラス、どうしよう、接点が全くない
話したいと思った、けれど、無理だ。
彼女を見ることしかできない。あ、あいつと話してる…
なんでだろう、心臓が痛いドキドキする。
姉に聞いたら「恋」だと笑われた。
そんなわけがない、、いや、…そうなのかもしれない
僕は彼女が好きなのか?
そんなこんなで4月になった。
もちろん、彼女との進展はなかった。
けれど、驚きは突然やってきた。
え、彼女が横に座ってる?
クラス替えで同じになったのだ。何から話そう?
「初めて同じクラスですね。よろしくお願いします。」
彼女は礼儀正しかった。僕も何か言わなくちゃ
「そうですね、僕は笠原って言うんだ」
名前を言ってしまった。動揺が隠せていない。
「知ってるよ、ずっとクラス見に来てたでしょ?」
そう、彼女は笑っていた
ずっとバレていた!?
そうして、僕は青くて深く恋に落ちた