〈〈熱い鼓動〉〉
熱い、怖い、大丈夫かな、先輩ちゃんと来てくれるかな
がらがら
『ごめんね、少し遅くなってしまって』
「いえ!そんな、こちらこそ呼び出したりなんてして」
すごく熱い、これは夏のせい、夏のせいにしたい
『それで話って何かな、部活で何か問題があった?』
「そんなことはありません、実は、あの…」
熱い、心臓がバクバクいってる、頑張るんだ私!
親友も応援してくれたこの恋、何もしないなんて嫌!
「あの、ずっと好きでした!付き合ってください!」
言っちゃった、言葉に出しちゃった、胸が痛い、熱い
ガラガラッ
え?誰?親友?なんで?邪魔しに?そんなわけない
なんでだ?怖いこの状況親友に見られちゃった!?
顔が熱いどうしよう、まだ、返事も貰ってないのに!
ガラッドン
『えっと…待ってね情報量が多いな』
「そ、そうですね!」
先輩もテンパってる、だよね、そうなるよね
告白されたと思ったらドア開いたもん、驚くよ
『…気持ちはとても嬉しいよ』
あ、終わった、どうしよ断られる時の文言じゃん
あぁ、聞きたくない、これ以上
『でも、友達から始めてもいいかな?』
え?今、友達からって言った?いいよってこと?
だよね?やった!嬉しい、嬉しい
あぁ、胸がまだドキドキしてる、熱い鼓動がうるさい
『後輩ちゃん?大丈夫?』
「ひゃい!もちろんでしゅ!?」
やばいめっちゃ噛んだー、終わったー
『そう、ならよかった』
そういって先輩は笑ってくれた
可愛くて、かっこいい先輩
先輩を見てると熱い鼓動で胸がいっぱいだ
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こちら、∴タイミング∵の親友ちゃん視点でした。
きっと、これから恋が始まるのでしょう #告白
∴タイミング∵
あの、ずっと好きでした!
付き合ってください
ガラガラッ
おっと、私は最悪なタイミングで
この教室に入ってしまったようだ
目の前にいるのは私の親友と親友の好きな先輩
先輩の目線がこちらに向いている、とてもまずい
今、ここまで考えるのに0.5秒も経っていないだろう
親友の目が潤んできている
そりゃあ初めての告白邪魔されたんだそうなる
この後怒られちゃうかな、絶交とか言われたらどうしよ
あ、ドア閉めよう今ならまだ、間に合うはず
そんな1秒で私は最悪なタイミングから脱出した
その後、親友ちゃんが付き合ったかはまた別の話である
#告白
〈虹のはじまりを探して〉
僕は虹が好きだ♡
7色の光は
薄くて触ったら崩れてしまいそう
僕は虹のすべてを知りたい
触れてみたい
感触を知りたい
味を知りたい
きっと、綺麗だ
まずは、はじまりからだな
少し旅をしてくるよ
この手で、目で虹を捕まえよう
〇 。 オアシス 。〇
照りつける太陽で目を覚ます
目の前には大きな水たまりがあった ゜
無我夢中で追いかける 。
落ちる 。
。 距離感がつかめなかった
。 ひんやりとして気持ちがいい
。 このまま落ちてゆくのだろう
起きたらきっとそこはオアシスだ
●涙の跡●
「カーテン」から少し経って…
あの日のことは覚えていない、けれどあいつが
次の日も、その次の日も学校に来なかったことは覚えてる
暇だからと屋上を覗いた、特に理由はない
ここんとこあいつがいなくて補習すら受けてない
そこには上を眺めるあいつがいた、車椅子に乗っている
屋上車椅子で来れるのか?と思いつつ、眺める
お、あいつが俺に気づいたようでこちらを振り向く
振り返ったあいつの目には涙があった
ちょっとばかし驚いた、そんなに怪我が痛かったのか?
そんな言葉しかでなかった
あいつが車椅子から降りた、よろよろと柵につかまり
よじ登ろうとしていた、そしたらいきなり
「ごめん、ちょっと手伝ってくれないか」
顔が涙でぐちゃぐちゃの顔で言ってきた
俺はわけがわからずに手伝った
うしろ姿からわかる気がした、こいつは何かする
考えたくもないけども、やろうとしてることがわかる
「ありがとう、このこと先生達には内緒にしてくれ」
そう言ってあいつはバランスを自ら崩した
あいつの手をとった俺とともに
何故か楽だった
楽だと感じた、気がした
最後に見たあいつの顔は
涙の跡のある
くしゃくしゃの笑顔だった。
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こちら「カーテン」の後日譚となっております。
見ていただけると嬉しいです。 #落ちた