「半袖」
みて〜、今日半袖!珍しかろ?
いつも長袖のシャツしか着ないあの子がいた。
長袖で見ることのなかった肌、雪のように白い
触ってみたいと思ってしまった。
今日、あついけんね〜
半袖に気を取られたがあの子は髪を結っていた。
揺れる髪、袖から見える肌
綺麗だな、触れてみたいけど触れられない
あの子の半袖
「またいつか」
じゃあ、また五日
毎月五日の日にしか会わない、会えないこの人
五日以外に会う気持ちはないのだろう
最後に「また五日」とさらっとした別れの挨拶しかしない
ひどいと思う、けどある日あの人と五日以外に会えたのだ
奇跡だと思った、これで五日以外も会ってくれる
そう思った、あの人に聞いてみた
なんで五日の日だけだったの?
と、あの人は目を丸くして
「またいつか」をそう思う人がいるとは
そんな事を言っていたっけ
✦星を追いかけて✦
確か、走ってた、さっきまで
何かを探してた?違う気がする。でも、確か
何を見つけた?何を手に取ろうとした?
私は、いや僕だったか、もしかしたら俺だったかも
自分のことすら覚えてない、けど何かを追いかけた
そう!星だ!星を追いかけてたんだ!
追いかけて走って掴んで掴めなくて飛んでって
頭に当たって…
あれ?なんか飛んできて…………………る?
[今を生きる]
やぁ、少年少女紳士淑女の皆様
今を生きておられる全ての皆様
ワタクシに連れて行かれても後悔のないよう
今を楽しく、美しく、儚く、綺麗に
今を生きてきてください
そしてワタクシに
皆様の全てを奪わせてください
「飛べ」
絵の具がこぼれたような青い空に
一つ、またひとつ白い何かが舞っていく。
僕の前には はらはら と ふわふわ と落ちる
白い翼の一つがあった。
真上を見ると樹の実のように小さな
小鳥がいた。
他の鳥は巣立って残され、ひとりぼっちのよう
何処か既視感があった。
ははっまるで僕じゃないか!
僕のようになってはいけない、羽ばたけ!
遠く遠くまで舞え!消えてしまえばいいんだ!
見えなくなるまで飛べ!