記憶の海
ゴポゴポゴポ…
海にどんどん沈んでゆく。
もう死ぬのかと嫌でも感じる。
目を閉じると今までの記憶が全て海に現れる。
小さかった頃に喧嘩したっきり話してないあいつ。
早く謝れば良かったな、冷蔵庫のプリン食べればよかった。
まだ起きていたいのに眠くなる、息苦しい。
こんな時せめていい思い出を見たいのになんで嫌な記憶しか見えないの?
もう寝るか____
未来への船
もうこの世で誰も覚えていないぐらい遠い遠い昔に作られた船は形を変えて乗られてきました。
ある時は漁のため、またある時は海賊船、またまたある時は戦艦になっていた時もありました。
そんな船は今ではただのボロボロの粗大ゴミ。
いつなくなるかわかりません。
そんな時、小学生ぐらいの子供でしょうか?船の1部を組み立てて秘密基地にしました。
そう、この船は子供の未来への夢と希望を乗せた船へと変わったのです。
しばらくするとたくさんの子供が集まってきました。
ですが、いつしか子供達も大人になり、もう誰も来ません。
それでも船は待っています。
次はどんな姿になり、どんなモノを乗せてゆくのでしょうか。
静かなる森へ
静かな森に響く鳥のさえずり。
生き物たちは今日も生きる。
そんな森で過ごす日々が私は大好きだ。
なんて素晴らしいのだろうか。
この太陽に照らされる木々が。
美しい花たちが。
私には勿体ないぐらいの感動を与えてくれる。
拝啓 母なる森へ
美しい森へ
静かなる森へ
私は今あなたのおかげで生きています。
届かない……
平和はとても素晴らしいものだ。
しかし、今でも戦争をしている国もある。
そして僕が住んでる国も例外では無い。
何故なら僕は今戦争の最前線にいるからだ。
まぁ、ほぼ負け戦だからやる意味が無いのだがな。
そんな僕に帰りを待つ人はいない。
僕の友達には家族がいるけど……
まぁ今回はそんな友達の話だ。
その日はとてつもなく激しい攻撃が昼夜関係なく続いていた。
僕らも反撃したさ。でも敵わない
そんな中すぐ隣に爆弾が落ちた。
僕は奇跡的に骨折で済んだが、友達は腹から下がなかった。
でもまだ息がある。それはゾッとしたよ。
彼は僕にこう伝えた。
「家族にすまないと伝」
彼は黙った。多分すまないと伝えて欲しいと言ったのだろう。
だから僕は戦争が終わったら彼の家に行くんだ。
最後を伝えるために。
だからっ
ジジッ
第三部隊敵軍の爆撃により全滅
繰り返す第三部隊敵軍の爆撃により全滅
木漏れ日
その日は春から夏への移り変わりを示すような爽やかな日だった。
木のそばで昼寝をしてると少女が話しかけてきた。
「こんにちは。とてもいいお天気ね。」
『あぁ、こんな日は昼寝に限るよ』
「ふふ、それもいいわね。今日は絵を描きにきたの。お隣いいかしら?」
『もちろんだとも』
そしてそれ以上言葉を交わすことも無くただ時間が過ぎていった。
ふと、横を見ていると少女が立ち上がって帰りの支度をしていた。
『いい絵は描けましたか?』
「えぇお陰様で。仕上げは家でします。では。」
そうして少女は木漏れ日が広がる道の中を軽やかな足取りで帰って行った。
『さて、もうひと眠りしましょうかね』