風信子

Open App
2/8/2023, 12:39:12 PM




まだおぼろげに
記憶に残る
消してしまった
君の写真


優しげだけれど
ぎこち無いスマイル
きっと何度も
撮り直したんだね



笑いは癒し


バカ言って
君を笑わせる事
いつも考えてた


電話の向こうで
大声で笑うその声が


私の癒しだった



「スマイル」

2/7/2023, 6:28:25 PM





普段は口にしないような
汚い言葉で表現しないと
気が晴れそうも無い
負の感情


ひっそりと
誰にも見られない所で
書きなぐったりして
吐き出してみても


何だか
悪い人間になったようで
気が晴れるどころか
襲ってくるのは罪悪感




大丈夫



自分の中に
天使も悪魔もいる


それが目覚めるきっかけが
あるかないか
口にするかしないか
行動に移すか移さないか

それだけの違い



大切な人を傷つけられたら

その命を奪われたら


誰も

天使ではいられない




「どこにも書けないこと」

2/7/2023, 9:55:49 AM



二十年以上前から壁に掛けてある部屋の時計は、合わせても合わせても、いつの間にか進み過ぎてしまう。

何だか生き急いでいるようで、気にはなりつつも面倒で、もう頻繁には合わせてはいない。



ただ全ては変化してゆくだけで、時間なんて実体がある訳では無いけれども、人は時を軸に人生を考えるもの。


今人生の残り時間が分かったなら、人は、自分は、どんなふうに生きるだろう。
やりたい事はネガティブなものか、ポジティブなものか。



音を消した暗い部屋の中では、普段は聞こえない、気にもしない秒針の音が、不思議とやけに大きく響き、訳も無く、
少し恐怖心を煽る。



「時計の針」

2/6/2023, 7:24:10 AM




想いは
幾度となく零れ落ち
一度たりとも晒さずに
武器にもならなかった涙と共に
地面に吸い込まれて
いつしか消えた



過ぎてしまえば
忖度するような情でさえ
全てがただもう今更で
無駄で無意味で
どうでもいい




今この胸に
溢れる気持ちは

澄んだ純粋さを失い
透明さを押し出して
暗く色濃く濁り
もう
微かな痕跡も許さないと
止めどなく流れるがまま



笑顔の裏に隠した恥辱は
コールタールのように
微かに揺れてた愛よりも
もっとずっと深層に
へばりついて巣食っている



そう
それが本音

終わりの初めから
見ないふりをしてた

もう隠せない


風の温度が変わる頃
招き入れられた闇に
足を踏み入れたら
それが最後




悔いさえ消えていく
知っているから笑ってる
遠くないその時
枯れた源を確かめたら


踏み潰した思い出に

火を放つ



「溢れる気持ち」

2/4/2023, 2:55:52 PM




Kiss・・・


とても古い記憶が
思い出された


昔流行った歌の歌詞を
地で行くように

眠ってる彼の頬に
そっとKissして

置き手紙して
そこを出た


呼ぶ声が
聞こえた気がしたけど

振り向かなかった



悩み苦しんで
苦渋の決断で離れた

・・・んじゃない


逃げた

その恋から




泣いて

泣いて

自分から
サヨナラしておきながら
いつもあの人を探してた


二年引き摺った



あの頃は
自分を制御出来なくて

傷つく前から
傷つくのを恐れて

自分で自分
苦しめてた



今も
そんな不器用さは
変わってはないけど




世間は狭いから
まだ風の噂で時折
あの人の近況を知らされる


一人になったと聞いたのは
何年前だったろう


元気でいるのかな




まだハタチ前
愛する意味など
考えもしなかった


好きで好きで
ただ一緒にいたかった


若かりし日の
ノンフィクション



「Kiss」

Next