想いは
幾度となく零れ落ち
一度たりとも晒さずに
武器にもならなかった涙と共に
地面に吸い込まれて
いつしか消えた
過ぎてしまえば
忖度するような情でさえ
全てがただもう今更で
無駄で無意味で
どうでもいい
今この胸に
溢れる気持ちは
澄んだ純粋さを失い
透明さを押し出して
暗く色濃く濁り
もう
微かな痕跡も許さないと
止めどなく流れるがまま
笑顔の裏に隠した恥辱は
コールタールのように
微かに揺れてた愛よりも
もっとずっと深層に
へばりついて巣食っている
そう
それが本音
終わりの初めから
見ないふりをしてた
もう隠せない
風の温度が変わる頃
招き入れられた闇に
足を踏み入れたら
それが最後
悔いさえ消えていく
知っているから笑ってる
遠くないその時
枯れた源を確かめたら
踏み潰した思い出に
火を放つ
「溢れる気持ち」
2/6/2023, 7:24:10 AM