風信子

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Kiss・・・


とても古い記憶が
思い出された


昔流行った歌の歌詞を
地で行くように

眠ってる彼の頬に
そっとKissして

置き手紙して
そこを出た


呼ぶ声が
聞こえた気がしたけど

振り向かなかった



悩み苦しんで
苦渋の決断で離れた

・・・んじゃない


逃げた

その恋から




泣いて

泣いて

自分から
サヨナラしておきながら
いつもあの人を探してた


二年引き摺った



あの頃は
自分を制御出来なくて

傷つく前から
傷つくのを恐れて

自分で自分
苦しめてた



今も
そんな不器用さは
変わってはないけど




世間は狭いから
まだ風の噂で時折
あの人の近況を知らされる


一人になったと聞いたのは
何年前だったろう


元気でいるのかな




まだハタチ前
愛する意味など
考えもしなかった


好きで好きで
ただ一緒にいたかった


若かりし日の
ノンフィクション



「Kiss」

2/4/2023, 2:55:52 PM