テーマ:1000年先も
「健康でありますように」
「無事故でありますように」
「平和でありますように」
参道を抜けると
鳥居が赤々とそびえ立つ
そこは人々の祈りが集まる場所
1000年先も、
人の願いは、尽きることがないだろう。
テーマ:ブランコ
公園には、普通の四角い赤いブランコのほかに、丸くて大きいオレンジ色のブランコがある。オレンジ色のブランコは小さい子なら寝そべったまま乗れるので人気で、行列ができている。
砂場で遊んでいた娘が、ふと砂場遊びをやめてオレンジ色のブランコに向かって駆け出した。
私の方を振り向いて「乗りたい」と言う。ブランコの横には、2組の子どもと親が並んでいる。
「並ばないと乗れないよ。おいで、並ぼう」
「乗りたい」
しかし、娘は行列に並ばず、少し離れたところからうらやましそうにブランコを見ている。
「乗りたい」「並ぼう」というやりとりを繰り返している間に、何人かの子どもが入れ替わりオレンジ色のブランコに乗っていた。
しばらくして、やっと「並ぶ」と言って、娘が列に並んだ。やれやれと思う。
娘の番が来た。嬉しそうにブランコに駆け寄り、「乗せて」と言う。私は娘をブランコに乗せてやり、ブランコを押す。ブランコに寝そべった娘は、笑顔で歓声を上げる。
しかし、10回を超えたあたりで、「降りる」と言い出した。ずいぶんすぐ降りたがるな、と思ったが、降りるというならとブランコを止める。
「もう降りるの?」
パパがパンの袋を下げてやってきた。パン屋さんまでパンを買いに行っていたのだ。こちらも人気のパン屋さんで、公園からパンを求める人の行列が見えていた。
「パパ〜!」
娘がパパに駆け寄る。
「お母さんのクルミパン、なかったから別のを買ってきたよ」
「ありがとう」
土曜日の昼下がり。オレンジ色のブランコがある公園は、子どもたちで大賑わいだ。
テーマ:街へ
光る細かいラメ入りのフェイスパウダーを、頬や額にパフで軽くはたいていく。アイブロウとペンシルで、眉に緩やかなカーブを描き、口紅を塗ると、鏡の中でにっこり笑ってみる。
アイロンで、髪にカールをつける。爽やかな柑橘系の香りのするヘアオイルで髪型を整えた。
それから仕上げに、いそいそと、ピンク色の石のついた、ハートモチーフのネックレスを、引き出しから取り出してつける。
今日はデートだ。
鞄にスマホと財布、鍵と定期の4点セットがあることを確かめたあと、花柄のタオルハンカチとポーチを入れて、ワンピースの上からコートを羽織り、お気に入りのパンプスを履く。
ガチャ、と音を立ててドアを開け、足取りも軽やかに街へ繰り出す。
テーマ:優しさ
いつも必ずごはんを完食してくれて、食べ終わった食器を流しで水につけてくれること。
娘が夜中にふとんを蹴飛ばしたのに気がついたら、そっと自分のフリースをかけてくれること。
私が食器洗いや洗濯物なんかの家事で忙しそうにしていたら、娘の遊び相手をしてくれること。
朝、目覚ましアラームのあと10分くらい二度寝をしていてもそっとしておいてくれること。
晩酌しますか?といって、柿の種をお皿に出して、2人の間に置いてくれること。
優しい夫で、優しいパパ。いつもありがとう。
テーマ:安心と不安
部屋の寒さから逃れるように、布団に潜り込む。冷えた足先が、少しずつ温まっていく。
体が暖まるほどに、心もほどける。これだから冬の朝というのは布団から出られないんだよなぁ、と思う。暖かい安心感に包まれていつしかまどろんでいた。
夢を、見たらしい。
嫌なイメージだった。短い悪夢にぱちりと目が覚め、いつの間にか布団から出ていた手が少し冷えてしまっている。
体調が悪くなるといつもこうだ。私は、飲み忘れていた漢方薬を飲むために布団から出る。
お湯を沸かし、漢方の顆粒をぬるま湯で流し込む。体が少し暖かくなり、さっきの夢からくる不安も、いくらか薄らいだような気がする。