【カラフル】
世界は沢山の色で溢れてる
真っ赤な絵の具で塗りたくられた 夕焼け
泳いでいけそうな 水面に反射する青空
陽の光を浴び 自ら発光しているかのような花々
木陰から見上げる 何層も重なる緑葉のグラデーション
世界は沢山の美しさに溢れてるのに
濁った景色しか見えなくなってた
感性を刺激する彩りは身近にある
人生に彩りを取り戻したい
なんだか 明日の陽が待ち遠しくなった
陽の光よ来い 早くこい
【桜】
いつからだろう
下ばかり見て歩くようになったのは
進路だ勉強だの景色を楽しむ余裕もなくなった
朝日の目を刺すような光に苛立ちを覚えたり
服や荷物をずぶ濡れにする雨に腹を立てるような
気の短い男になってしまった
それでも昔は 空を見上げることが好きだった
どこまでも広がる青天に手を広げて
フワフワ漂う雲を掴んでみたくて 精一杯手を伸ばした
雨上がりには虹の橋まで駆けっこして
毎日が好奇心に溢れてた幼少期
鮮やかに彩る日常が もっと続けばよかったのに
成長すればする程 忘れてしまう楽しさ
「そんなことより勉強しなさい」って
そんな言葉で 埋め尽くされていく
何度目かの春がきた
陽の出も早まり 自然と早まる起床時間
起きるのが億劫でベッド脇のカーテンに手を伸ばした
そこは桜並木で
朝から元気に走っている小学生
サワサワと風に揺られる満開の桜
朝日を浴びてとても綺麗だった
ああ 眩しいなあ
【星】
真昼時 私には強すぎる陽の光
鮮やかに照らされて 世界の各々がその光を反射する
眩しすぎて 時々疲れてしまう
ちょっと休憩しようか
日が沈み 日常が暗闇に包まれていく
そしてポツポツと家々の明かりがついては消え
街を照らす街頭だけ
不意に空を見上げると 満点の星空
それが私の好きな時間
【小さな勇気】
いつも自分のことは後回し
少ないおかず 唯一の綺麗な服も 全部譲ってくれた
凍える日もストーブの前に私だけ座らせてくれた
やめてほしくて 自分を大切にしてほしくて
苦労を知る母なりの優しさだって分かってる
だけど これだけは伝えたい
「私……寂しかったよ
優しくされる度にお母さんと距離を感じて 胸の辺りがどんどん冷たくなって
一切れでもいい おいしいねって一緒に食べたい
綺麗な服もいらないから 一緒に出かけたい
特別扱いもしなくていい 二人で温まろうよ」
お互い我慢するのは 今日で終わりにしたい
【終わらない物語】
ねえ…ちょっと聞いていかない?
僕の話
ずっとプロの選手になりたくて
憧れのあの人と同じコートに立ちたくて
毎日走って飛んで
基礎ばかり続く練習に嫌気がさしながらも努力した
初めは体力も無くて落ちこぼれで
誰も期待しないし ……雑に扱われる日々だった
何度も指導を頼んだけど
返答はいつも同じ
「…お前には無理だ」
悔しかった
涙が枯れるまで泣いた
胸が押し潰されそうで苦しくてもがいた
諦めたくないのに 現実は残酷で
夢は諦めるな 努力は必ず報われるとか
希望を与えておいて
余りにも無責任だ
このまま終わってしまうなんて
………
目を覚ますと そこは病院のベッドの上
手紙が一通置かれていた
バスケの楽しさを教えてくれた幼馴染からだ
留学して久しぶりの手紙はいつも通り 他愛もない話が綴られている
ただ最後の行だけ 明らかに違う筆跡で
「ずっと待ってるから 一緒に戦えるその日まで」
写真には幼馴染と肩を組んだ 憧れの選手が写っていた
迷ってもいい 立ち止まってもいい
背中を押してくれる人達がいる
それだけで一歩 また一歩と歩いていける
たった一度の挫折で諦めるなんて勿体無い
世界は広い 受け入れてくれる人は必ずいる
数年後 僕は約束を果たすべく飛んだ
そして二人に伝えたい
「ずっと 気にかけてくれてありがとう」