【桜】
いつからだろう
下ばかり見て歩くようになったのは
進路だ勉強だの景色を楽しむ余裕もなくなった
朝日の目を刺すような光に苛立ちを覚えたり
服や荷物をずぶ濡れにする雨に腹を立てるような
気の短い男になってしまった
それでも昔は 空を見上げることが好きだった
どこまでも広がる青天に手を広げて
フワフワ漂う雲を掴んでみたくて 精一杯手を伸ばした
雨上がりには虹の橋まで駆けっこして
毎日が好奇心に溢れてた幼少期
鮮やかに彩る日常が もっと続けばよかったのに
成長すればする程 忘れてしまう楽しさ
「そんなことより勉強しなさい」って
そんな言葉で 埋め尽くされていく
何度目かの春がきた
陽の出も早まり 自然と早まる起床時間
起きるのが億劫でベッド脇のカーテンに手を伸ばした
そこは桜並木で
朝から元気に走っている小学生
サワサワと風に揺られる満開の桜
朝日を浴びてとても綺麗だった
ああ 眩しいなあ
4/4/2025, 5:10:21 PM