ひなあられ

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1/4/2026, 4:49:55 AM

 窓から一筋の光が差し込んでいる。日の出だ。カーテンを閉めるのを忘れてしまったせいで、早く目覚めてしまった。

 窓際に近づき空を眺めた。夜の街が次第に照らされていき、すっかり朝の顔になる。なんだか、不思議な気持ちがした。

 二度寝しようと思っていたけれど、太陽を見ているうちに目が冴えてしまった。早起きは三文の徳と言うし、散歩にでも行こうか。



  # 5 日の出

12/13/2025, 1:53:22 PM

 遠く聞こえた鐘の音が、今年の終わりを告げている。

 さて、今年はどんな一年にしようか。



  # 4 遠い鐘の音

12/10/2025, 1:00:41 PM

 あ、これは夢だ。目の前の光景のおかしさに、すぐ気がついた。私が幼少期から大切にしているくまのぬいぐるみが、言葉を話しているのだ。

 「ここあだよ」

 くまのぬいぐるみにはココアという名前を付けていた。ココアは愛らしく片手を振った。


 「しゅうしょくおめでとう!」
 「ここあもうれしいな」


 ぱちぱちと拍手をされる。


 「いっぱいなやんできたよね、ここあ、おへんじもできなくてごめんね」


 寂しそうに俯くココア。私は昔から辛いことや悩み事があるとココアに話していたのだ。否定も肯定もせず、ただ優しく私の話を受け止めてくれた。

 謝らないでと伝えようとしたけど、何故か声が出なかった。


 「いつもがんばってて、ほんとうにえらいとおもってるよ」

 「おはなしするのはもうさいごだけど、これだけはいわせてね」

 
 待って。まだ行かないで。そう叫びたいけど、相変わらず声が出ない。必死に喉を振り絞っても、出てくるのは掠れた息の音だけ。


 「しあわせになってね!」

 
 ビーズの瞳に涙を浮かべて、ココアは私を抱き締めた。ふわふわの身体に、ぬくもりを感じた。




 ────そこで目が覚めた。


 「あれ、私…」
 
 目元を拭うと涙に濡れていた。夢を見て泣いてしまうなんて、何年ぶりだろう。なんだか懐かしい夢を見ていたような。

 枕元には幼少期から大切にしているくまのぬいぐるみ、ココアの姿がある。愛らしい、くりっとした瞳で穏やかに私を見つめている。

 小中学生の頃はよくココアと話してたっけ。人間関係に問題を抱えていた私は、いつの間にかココアがイマジナリーフレンドになっていたのだ。

 高校生になって環境が変わり、精神的にも安定してくると、ココアが話しかけてくることはなくなった。あの頃の記憶は思い出すのも辛かったから、ついさっきまで忘れていたのに。

 何故今思い出したのかは分からないけれど、今の私はもうすでに乗り越えたから苦しくなることもない。新しい会社での一日目も、頑張ろうと思えた。


 
  # 3 ぬくもりの記憶

12/8/2025, 10:25:25 AM

 朝、カーテンを開けると辺り一面に雪景色が広がっていた。この地域は毎年雪がほぼ降らないため、ここまで積もるのは大変珍しい。何故だか無性にわくわくして、上着を羽織って靴下を履き、靴をつっかけ小さな雪原に飛び出した。

 歩く度にぎゅっぎゅっと小気味良い音が鳴る。初めての体験に胸がはずみ、無心で歩き回った。ふと振り返ると、新雪に刻まれたたくさんの足跡が目に入る。真っ白な、雪。その光景を見て、なんの脈絡もないけれど、自分の進路のことを思い出した。高二の冬、受験まではあと一年。

 志望校はおろか、将来の夢すら思いあたらない。流されるままに生活を送ってしまったせいで、志望調査書を渡される度に憂鬱な気分になる。幸いそれなりの進学校にいるお陰で環境は整っているので、自分の努力次第で何処にでも行けるし何にでもなれると思う。ただ肝心の将来の自分だけが、どうにも上手く思い描けないのだ。


 いつか、春は訪れるのだろうか。冬の朝の空気の冷たさに鼻がつんとする。見上げると、分厚い灰色の雲が空を覆っていた。春が訪れるときっと雪も溶けて、色とりどりの花々が陽の光を浴びるのだろう。そんなふうに、なれるのだろうか。足跡を振り返って、よかったと笑える日は来るのだろうか。

 今はまだ、分からないけれど。少しずつでも前に進んで、この雪原の先へ。



  # 2 雪原の先へ

12/7/2025, 9:26:42 AM

 眠気を覚ますため、椅子から立ち上がった。ベランダに出て、彼女が暮らす女子寮を見つめる。3階の、右から2つ目の部屋。

 夜の帳が下りて、日付が変わる頃になっても消えない灯り。彼女もきっと必死に勉強をしているのだろう。

 ゼミでもサークルでも、飄々と何でもこなしてしまう彼女。しかしその裏には泥くさい努力が隠れていることを、僕だけは知っている。

 この灯りが消えない内は僕も頑張ろうと、そう思える。



  # 1 消えない灯り

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