はじめまして
このお題は書けない。何も浮かばない。どうしてだろうと考えた。職を辞して、はじめましてと襟を正して挨拶する場面がほぼ無くなった。この後出会いはどれだけ有るのだろう。違う世界へ旅立ったのだと改めて自覚した。しかし、心の奥底には出会いたい場面が幾つかある。願って止まない場面だ。固執になってはいけないので、心の奥底にそっと仕舞っている。書けない、浮かばない、いや…。
春風と共に
節分の鬼退治は、どうやら保育園や幼稚園だけだった様だ。鬼退治が本当に必要なのは、大人の世界に違いない。詐欺やら値上げやら、お金を吸い上げる鬼が彼方此方にいる。雲の上にいる龍神さま、どうか春風と共に大人の世界の鬼を吹き飛ばして下さい。蛇行した偏西風に乗せて、何処ぞの国へ鬼を飛ばして下さい。お願いします。
涙
幼い頃、メソメソしてはいけないといつも言われた。仕事を持つ母は、メソメソ泣かれては困るからだったのだろう。ところが、私は気の弱くて泣き虫だった。早生まれで何かと遅く、出来ない事だらけだったのだ。その度に困ってはメソメソし、そして誰かに叱られた。いつからか口を真一文字に結んで、泣かなくなった。すっかり泣かない人となった。強くなったのでは無い。泣く事は悪い事と刷り込まれたのだ。しかし、いつだって泣いたほうが勝ちになるし、得をする。泣いている子が可哀想がられて、優しくされる。泣かない私は、譲ってあげてねと言われ、優しいねなんて言われるけれど、それでお終い。いつも我慢する役回りだ。
初めて習ったヨガで、息を吐く事を教えて頂いた。溜息をつく事さえ悪い事だと思っていたので、新鮮で涙が出た。もう真一文字に口を結んで頑張らない。自然に息を吐いて、涙を流そう。優しいのは卒業。
小さな幸せ
雪解け、軒先を滴り落ちる水音、顔を出した福寿草、春の訪れ。
春爛漫
テレビでは、どの番組も桜の様子を伝えている。蕾が膨らんだ、色づきだした、蕾が開き出したなどなど…。季語で花は桜だと聞いた。時代を越えて日本人の桜好きは変わらない様だ。四季のある日本の冬を越え待っていた春の楽しみだ。無彩色だった冬から、薄いピンクの桜色の春爛漫。内向きだった眼差しが外へ向かっていく。何だか心まで軽やかになった。