君と見た景色
どんなに沢山の景色を見てきただろう
春になる度、柔らかな陽射しに照らされた花達を
夏にはキラキラひかる海と水遊びに夢中の子どもらを
秋には、シベリアに帰る渡り鳥や赤く色づく山々を
冬の雪深くなってからの温泉も
季節を重ね、歳を重ね、
どの景色も思い出深い
リミットが有ると気づいた今
心から神様に感謝したい
きっと夫君は
オレに感謝だろ!と言いそうだけど
いいえ、
今を与えてくれた神様に感謝したい
手を繋いで
小さな子どもと手を繋ぐ。ぎゅっと掴んでいる力が、頼りにしてくれている証しだ。この力に、答えられる様な大人でいよう。そして、小さな子どもたちが、大人を信頼出来得る世界でありたい。せめて汗水垂らして作られた沢山の家々が、無謀な方法で壊される事の無い世界にしたい。明日を楽しみにしている子ども達の助けとなる大人で有りたい。悲しみで顔を曇らせる人々が居ないように願います。
どこ?
どこ迄行ったかなぁ?父の仏壇の前で母が呟いた。49日の頃だった。信心深い母は、父が三途の川を越えて、しっかり歩いて行けているか心配になったそうだ。余り仲が良かったとは思えない二人だっただけに、この呟きに驚いた。喧嘩ばかりしていたけれど、心の奥底は違ったのだろうか。親と言えども判らない。或いは逝ってしまったこの時だから、愛おしく思い起こせるのかも知れない。夫婦とは不思議なものらしい。余りに近すぎて見えていない事が、他にも有るのかも知れない。
大好き
朝日に照らされた庭
夕焼けに染まった大空
青空に浮かぶ沢山の様々な雲
日没後の大きな月
嗚呼、空が好きだ
空を眺めているこのひとときが大好きだ
叶わぬ夢
中学生の頃、平凡な事程非凡な事は無いという言葉が気に入っていた。母からの圧を避けたかったのだろう。そんな言い訳をする度に下らないと一蹴された。思い返すと、私の分岐点はあの頃に他ならない。失敗の始まりである。そこまで戻って人生をやり直すとなるとほぼ全部だから、いっそ新しく生まれ変わるしかない。
人は3回生まれ変われると聞いた。この次生まれてくる時はと考えてみたけれど止めた。種を蒔く、育てる、収穫する。今がどのステージかは判らない。ただ失敗ばかりの中で悪戦苦闘してきた。間違いばかりだったけれど、頑張ったとの思いだけはある。夢は叶わなかったけれど、今こんな時間を持てているのだから、これで充分だ。最後のステージなのかも知れない。
頭の中でスーザンボイルの夢敗れてが流れているのは何故だろう。