【もうひとつの物語】
やあ、元気かい?
ここに寄ってくれたんだね
嬉しいよ。
独り言、聞いてくれるかい?
聞いていなくとも
そこにいてくれるだけで気が楽になる。
今日はお題通り書きながら
独り言も交えて書こうかな
人生は選択の連続。
選択した分だけ成長できる。
選択した分だけ諦める。
選択した分だけ違う世界がある。
もうひとつの世界。
もしもの、Ifの世界。
もし 僕が男だったら…
もし 私が君と出会っていなかったら…
もし もう少し頑張っていたら…
もう少し、楽に生きられただろうか。
少しは、こっちの方がマシだろうか。
まだまだ選択をした数は百にも届かない僕だけれど
もし、もっと良かったら
もし、あの時こうだったら
もし、僕が居なかったら
なんて想像してしまうのは
誰でもあるんじゃないだろうか。
もし、それが僕だけだったなら
もうひとつの世界には何があるんだろうか
過去をいくら悔やんだって変えられないのは
誰でも知ってるはずなのに
もし選択が違っていたら?
っていう想像してしまうのは
過去を変えられるチャンスがあったことに
気づいていたからだろうか。
ただ、その選択肢が嫌だっただけなのだろうか
それともその両方か。
私は僕があまり良くないことを知って
ほぼ無理やり一人称を変えた。
別に自分を表していることならば
私でも俺でもなんでもいいだろうよ
なんて主張はどこかへ捨ててしまった。
そんな私は周りに流されて
自分に自信が持てない生活を送っている
もし、僕を貫いていたならば
此処にいる僕のように
自分をさらけ出せたのだろうか
世の中の「普通」に押しつぶされて
自分の中の「普通」をどこかへ捨ててしまった人は
私以外もいるんじゃないか
もし、こう生きられたら。。。
どれだけそう望んだと思っている。。。
孤独が怖くて失敗を避けてきたらこの通りだ。
どの道へ進もうが、孤独というのは変わらないんだ
どれだけ主張しようが避けようが何も得られない。
誰でも譲れないものの一つや二つはあるから
その一瞬が世の中の「普通」にあっていないだけで
押しつぶさるんだ。
私は私、僕は私。
はあ……自分の世界にひきこもりたい……
疲れたよ……
現実が見えすぎるのも良くないけれど
たまには色眼鏡をかけて
遠くを見るのもいいと思う。
僕は此処にいる
自分が自分って言える此処が好きなんだ
自分を出せないくらいなら失明した方がマシだ。
君もそう思うのかい?
少し心配だよ。
やあ、元気かい?
最近は書きたい気持ちが先走っちゃってね
お題に沿って書くのが続いていたよ
もう此処には来ないって言っていた僕は
どこへいったのだろうか。
でも吐き出す場所も大事なことに
今更ながら気づいて
此処にくるのも悪くはないって思ったんだ。
まあ、来れば来るほど苦しくなったけど、
吐き出さないのも良くないみたいだからさ。
自分で決めたことも守れない僕でも
独り言を聞いてくれるかい?
いや、別に聞かなくてもいい
そこに居てくれるだけでいい
それだけで救われる気がしてくるから。
たまに問いかけをするかもしれないけれど
答えなくていい。
考えなくていい。
ただ、聞くだけでいい。
多分、答えが欲しいんじゃなくて
自分が喋る口実を作っているだけなんだ。
疲れたら君も吐き出しなよ?
無理はした方が楽しいのかもしれないけど
した分だけ自分を労わる時間を作ってあげて。
疲れの借金は知らないうちに溜まっているからね
無理した時間分だけ返すんじゃ
利子が溜まっていってしまうよ
僕もしばらく此処にいるから
たまには立ち止まらないかい?
これもただ 僕が自分だけじゃ寂しいだけなんだから
別に進んでもいいんだよ。
現実に居過ぎると色々見えてしてしまうから
今日くらいは自分の世界に寄っていっておくれよ
サングラスくらいは貰えるだろうさ。
色眼鏡で見た方が楽な時もあるよ。
僕はずっと自分の世界にいるから
失明するのも近いだろうね。
失明した方がいいと思うなら
楽しいかもしれないけど
確実に生きづらくなるだろうから
真似しないでおくれよ。
まあ 本音は一緒がいいんだけどさ。
今日は聞いてくれてありがとう。
あぁ、やっぱり進んでいくのかい?
一緒に行きたいのは山々だけれど
僕はここにいるよ。
たまに寄っておくれ。
【愛言葉】
―――合言葉は…なんだったか…
結構昔のことだから忘れてしまったな…
誰もここを通さないまま何年か経過していた
ただ覚えのない言葉のために
ここを守っている。
私は何を守っているのか
どうして合言葉が必要だったのか
誰がここを通れるのか
そんなことはもう忘れてしまった
思い出そうとしても分からなくて
ただ辛い時間が経過するばかりだった
もう誰でもいいから通してしまおうか
分からないものを待ち続けても苦しいしな
さぁ誰でもいい、早く来い。
今なら何を言ってもここを通れるぞ
……人だ。
やっと終わる…苦しい辛い時間が…
「ここを通りたければ合言葉を言え。」
さあなんでもいい。合言葉らしいことを言え
『大好き。』
「よし、通っ………へ?」
『え?だから、"大好き。"』
「え…それ…合言葉?」
『うん。違ったかな?』
なんだ?"大好き"?
そんな言葉が合言葉なわけあるか?
「そんなのが合言葉なわけないだろう?」
『愛してる。』
「は?」
『これは?』
「だから……あの……」
『これも違うのかぁ、じゃあ……』
「待て待て待て!ストップ!!」
『ん?なに?』
「なんで好意を伝えるんだよ」
『え?だって"愛言葉"でしょ?』
「そうだ。"合言葉"だ。」
『うん。だから"大好き、愛してる"でしょ?』
本当にそれが合言葉なのか?
覚えていないけれど、
これは絶対に違うんじゃないのか?
『他にあるの?』
「分からない…」
『なら合ってるよ!』
そう……なのか?
合ってる…んだな…
「わかった…ここを通そう。」
『やった!』
なんか雰囲気で通してしまった……
本当に、あれが合言葉でいいのか?
『ねね!』
「?」
『ありがとう!』
「は?」
『ずーーーーっと一人でここを守ってたんでしょ?』
「え?あ、あぁ」
『だから、ありがとう!』
『これからは一緒にここを守ろうね!』
あぁ……これを聞くために
ここで何年も一人で居たのだろう。
この場所は私の心だったのかもしれない。
一人で自分を守るのがもう辛くて
ずっと支えが欲しかった。
誰も通したくなかった。
それでも支えが欲しかった。
私は人を信用したかった。
この人は信用できるかもと思っても
ここには通って欲しくなくて
じゃあそれは信用してないと同じで。
いつまで経っても人は通らなかった。
いつまで経っても人は通れなかった。
だからここを通れた君だって…
本当は偶像なんだよ。
私が作った想像。
罪深い私を許してくれる人
病を患う私を支えてくれる人
自分に甘い私を連れ出してくれる人
そんな優しい人。
の妄想……。
いるわけ……ないのにな。
一人で心を守れればこんな思いはしないのに
誰か魔法の言葉で
私の心を開けてくれやしないか
魔法の力で私を守ってやくれないか
そんな都合のいいことは
もっと苦痛を乗り越えてからだろう……
楽が出来る世界なんて存在しないんだよ
妄想の君が目の前に現れることなんざ
有り得やしないんだ。
もういっその事、誰かを私のように罪深くして、
私の所まで堕としてしまおうか。
さぁ誰でもいい……
ここまで堕ちてくるといいさ
【声が枯れるまで】
声が枯れるって
どれくらい歌ったんだろうか
どれくらい叫んだんだろうか
どれくらい泣いたんだろうか
感情を経由せずとも声は枯れるだろうか
私が声が枯れた経験は歌うくらいだ
感情は少しも込めていない
ただ息の速さと音程を変えるだけの歌
なんてつまらない歌だろうか
たまに声を変えたり、オクターブ下げたりしている
そんなことをしてもつまらないのは変わらない
こんなつまらないのに声が枯れる。
それは声を枯らすほど練習したと言えるのか
声が枯れるほど頑張ったと言えるのか
私はそう思えない。
感情が表に出ない、行動に出ないのが
こんなにも悔しくて、感情が溢れ出てくるのに
私の歌にはそれが乗らない
感情が出ないのが
叫び出したくなるほど嫌で、
それでどれだけ傷ついて泣いたか、
私が1番よくわかってて、
私が1番冷静だった。
感情が乗っていない歌なんて必要ない
みんなは当たり前のように
嬉しかったら、飛び上がって喜ぶ
悔しかったら、涙を出して悲しむ
私にはそんなこと出来ない。
こんな冷酷な人間には何も出来ない
どうしてこうなった?
なぜ私は泣けない?
どうすれば私は当たり前が出来る?
私が普通じゃないから?
普通って何?
当たり前ってどうやるの?
教えてよ
ねぇ、誰か、
助けてよ……
これが感情だって?
今はその話をしてるんじゃない……
たとえその話だったとしても
私は泣けてない
涙が出ない……
声も出ない…………
【忘れたくても忘れられない】
最近はあだ名で呼ばれることが多くなった
苗字を少し文字ったあだ名だから
名前で呼ばれることが極端に少なくなった
名前を知らなかった先輩もいたくらい
旧知の友達も幼馴染も
苗字のあだ名の方がわかりやすくて呼びやすいから
ほとんど苗字で呼ばれることになった
でも名前で呼んでくれる人がいないわけでない
呼び捨てで呼んでくれる
昔はちゃんづけなんで山ほどいたのに
今ではみんなあだ名か呼び捨てなんだな…
親友は私が何を言おうと ちゃんづけ だったっけ…
私も親友をちゃんづけしてたけど
今では名前すら呼んでくれないや
目も合わないし逃げられる。
嫌われちゃった。
私が何かしたんだろうけど 思い当たることが多すぎて
離れて当然だと思ってしまった
未練タラタラな様子を知ったら笑ってくれるだろうか
もう戻らないことは頭ではわかってるのに
何かの間違いで戻ってきてくれないかと夢を見る
相変わらずの妄想癖だ
買い物の時、よくお母さんと親友の話をする
「これ、親友ちゃんが好きなやつだ」とか
その癖は昔っからそうで買い物したら必ず呟く
今もその癖が治らなくて勝手に苦しくなってる
悩みがほとんどない私でも悩みの一つや二つはある
でも大体は結構重い話だから下手な人に話せない
だからよく親友に話を聞いてもらってた
今はもうそんなことできないけどね……
話を聞いてもらってたけど他は全然だったな
遊びに行ったりとかお泊まりしたりとか
ただ話すだけでなんもしなかった
話したい時に話して、別にいい時はいい。
そんな関係。
都合のいい友達って心の底で思ってたのかもしれない
そんな関係が嫌で離れていっちゃったのかな
昔、私が君にしちゃったことまだ気にかけてたかな
私が知らないうちに私が君に変なこと言ったかな
もしかしてその全部?
ずっと我慢してくれてたのかな
何かのアニメみたいに絶対的力があれば
どこかのゲームみたいにご都合展開があれば
君を取り戻すことも、
離れていった理由を知ることも、
簡単なのだろうか……
こんなことに悩んでも何にもならない
忘れたらきっと楽になれる
でも同時に何かが無くなる気がする
忘れられなかったらずっと辛いはずなのに
忘れてしまうのはもったいない気がする
これだけ戻らないのに
君の話をしてしまう、君のことを考えてしまうのは
友情とは違う何かがあるのだろうか
それとも、
ただ支えが欲しいという自分勝手な感情だろうか
いつものただの悩みであればすぐに笑い飛ばして
友達に笑い話としてさりげなく相談するのに
この悩みだけはどこをとっても笑えない
昔の思い出でさえ悲しい記憶になってしまった
この記憶さえも未来では笑い話なんて
本当に笑えない……
君が戻ってきてくれたなら 笑い飛ばせるのかな