耳を澄ますと
祖父母の亡き後、家も取壊し更地になった田舎へ車を走らせる
田舎独特の空気感、森に囲まれたマイナスイオンの肌感そして少しだけでも足を踏み入れた森の土を踏みしめる体感、耳を澄ますと人工的な喧騒の街の中では聴こえない自然の音が耳の奥に届く
田舎の晴れも好きだけど
田舎の雨はまるで様相を変える
木の葉に落ちる雨音が遠い幼い日のあの日に
僕を連れて行く
あの日、僕は従兄弟と森から帰る途中だった
確かに一緒に走り森の中にある簡素に建てられた村民の休む場所に雨宿りしたんだ
従兄弟は「寒い」とガタガタ震えていた
この夏の雨に打たれて寒いと言う程、軟弱なカラダでは無いのに…
僕はドア近くに置いてあった作業着を
従兄弟の肩に掛けてオデコに手をあてた
とても冷たくて熱が無いと却ってホッとしていた
「ちょっと外の様子を見てくるよ」と雨を見に
ドアを開けて外へ出た
何となく従兄弟といて息が詰まったんだ……
怖かった
耳を澄ますと耳の奥で小さなノイズがなっていた
その後の記憶は無くて
小屋で震えていたはずの従兄弟は
その日の朝、既に自宅で家族に看取られて亡くなっていた
毎年のように夏休みなると祖父母の家に来ては
従兄弟と遊んでいた僕と遊びたかったのかも知れない
僕は従兄弟の墓参りの後、いつもあの小屋のあった場所に座り、缶ビールを二本開け軽くコツン乾杯して森の中でビールを飲んだ
優しさだけで、きっと
優しさだけで、きっと…
救われる時だってある
それが缶詰めのチェリーの様な付け合わせ程度のものであっても
優しいひと言で音のない灰色の空間に
クラスメートの声のざわめきや笑い声が耳に戻ってくる
私は寂しかったんだ
いつもムーミンに出てくるスナフキンになりたいと思っていた
1人でも平気なスナフキンに
優しい言葉や慰めの要らないスナフキンに。
カラフル
夏を彩る物はどれもカラフルで
水着や浴衣、ハイビスカスの髪留めは普段なら
ちょっと気後れして付けられないけど
「夏」というキーワードがあると
「そうだよ、夏だから」とテンションが上がっていつも身につけない大振りのアクセサリーまで選んで買ったりする
「夏」は心もカラフルにする
いつも着ている事務服を脱いで水着にもなれる
それはやっぱり夏だから出来る事
それなら夏だから出来ることは
惜しみなくしておいた方がいい
恋愛においても人生においても……
それを出来る期間は限られている
もし体型が着られても年齢がブレーキをかける
「私はもういいと…」
たから夏は水着に浴衣、いつもは身につけないハイビスカスの髪留めや
大振りのアクセサリーを着てみようよ
付けてみようよ
若いときはカラフルにしても「似合う人生の季節」
その季節は本当に楽しかった
人生の花盛り、カラフルに行こう
年を取ってからも良い思い出話に花を咲かせる事が出来る、カラフルだったあの頃を懐かしむ事が出来るから、良いなと思います
楽園
楽園てあるとしたならひとりひとりの心の中に、そっと奥深くアマゾンの熱帯地を抜けた
後に見えて来るようなもの
心の中の本当の心と向き合い、受け入れて
それを抱え熱帯雨林の厳しさを超えた後に
訪れる静かな湖のようなもの
それは楽園と呼ぶにはあまりにも静かかも知れない
そしてアナタの心次第で、其処はカラフルな鳥が鳴き湖畔にはカヌーがあり
絶え間なくラジオから好きな音楽が流れるような自由の島、アナタだけの国
だけど、直ぐには辿り着けない
自分の心に出逢う所から始まって
その心をアマゾンで守り、過酷な環境と生物と闘い、湖が見えて来るまで自分の心は幾度の試練に遭う
それを超えなくちゃ楽園は見えてこない
そう思うけど
君はどう思いますか?
風に乗って
風に乗るとしたら、乗り物はどうしようか?
この姿のままなのか、小さくなれるなら
目立たなく飛びたい
他の虫に狙われたくない
やっぱりコックピットがほしい
勿論、操縦の技術はある前提で
さて、風に乗ってどこへ行こうか
小さな飛行機で飛べるなら
みなとみらいを見渡したい
富士山も見えるだろう
夜景も見たい
馬力があるなら東京タワーの周りを飛びたい
東京タワーを越えてまで馬力は無いように思えるし、小さな小さな飛行機無ので
無くて当たり前
越えられない夢があるのもいい
そんな事を考えながら
息子の幼稚園バッグの大きな手提げを作っている
息子はどんな大人になりたいのだろう
私は自分の思いを風に乗せて思う